2017 Fiscal Year Research-status Report
ネットワーク視点から捉えた売り手と買い手のリレーションシップ
Project/Area Number |
15K17149
|
Research Institution | Chiba University of Commerce |
Principal Investigator |
大平 進 千葉商科大学, 商経学部, 講師 (30709001)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ネットワーク / 産業材市場 / リレーションシップ・マーケティング / サプライチェーン・レジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ネットワーク型取引の視点から産業材市場における売り手と買い手の関係性についてメカニズムを明らかにすることである。 前年度おこなったインタビュー調査の内容をまとめた結果、震災によって生じた「サプライチェーン寸断危機」や「事業継続性に関連する問題」、フェアトレードに代表される「企業の社会的責任」に関するテーマが、購買企業の抱える直近の関心事として挙げられた。これらテーマの中から、特に「サプライチェーン・レジリエンス」に焦点を当てて定量調査を実施することとした。つまり、サプライチェーン寸断危機を如何に回避あるいは発生後に軽減、早期復旧できるかというテーマをネットワークの文脈で把握することである。仮説構築に先立ち、マーケティング分野における同テーマの学術研究がどのように進展し、どのような課題を抱えているかを把握するため、文献レビューをおこなった。レビュー結果はテーマ書評としてまとめられ、平成30年1月発行の『マーケティングジャーナル』第37巻3号(pp.132-147)にて発表されている。 平成29年度の後半では、ヒアリング調査およびレビューの結果をふまえ、さらに、研究協力者や関係団体と情報交換をおこない、仮説構築および調査票作成を進めた。具体的には、企業がリスクに対してどのように考えているかといったスタンス(あるいは、志向性)が、サプライチェーン・レジリエンス能力や企業パフォーマンス、ひいてはリレーションシップ継続意向などに及ぼす影響について、ネットワークの視点で検証することを狙いとしている。 定量調査実施にむけた一連の準備作業が、予想以上に時間がかかってしまい、平成29年度内での完了が実現できなかったため、期間延長するにいたった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
定性的な調査や文献レビュー調査などはおおむね順調に進展している。ところが、(「研究実績の概要」でも述べた通り)定量調査実施にむけた一連の準備作業が、予想以上に時間がかかってしまい、平成29年度内での完了が実現できなかったため、期間延長するにいたっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
仮説をもとに調査票を作成し、インターネット調査会社を利用して回答者用ウェブページを作成する(5~6月)。日本サプライマネジメント協会の協力のもと、サプライヤー企業の購買責任者を対象にアンケート調査を実施する計画である(6月以降)。調査結果は秋までにまとめあげ、学会報告や論文執筆を行う計画である。
|
Causes of Carryover |
定量調査実施にむけた一連の準備作業が、予想以上に時間がかかってしまい、平成29年度内での完了が実現できなかったため、期間延長するにいたった。インターネットを活用したアンケート調査を実施する計画である。調査に関連し、WEB画面作成費用、名簿データ提供や会員企業へのリマインドを含めた業務委託費用、回答者らへの謝金といった費用(合計90万円程度)が発生する見込みである。また、印刷用紙などの消耗品も購入する予定である。
|
Research Products
(1 results)