2018 Fiscal Year Research-status Report
アウトブレイクにおける知識の信頼性の経時分析とコミュニティ・レジリエンス評価
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15K17210
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
中川 千草 龍谷大学, 農学部, 講師 (00632275)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エボラ出血熱 / ギニア共和国 / 在外ギニア人 / ディアスポラ / 情報共有 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度はデータ収集を目的とした現地調査と、成果発表をバランスよく実施できた。これにより、知識の流通に関し、1)立場の多様性(直接的な影響の有無・周囲との関係性)と2)取捨選択の難しさ(必要とする情報の多様性とその変化)という課題があきらかとなった。これまでのまとめとしては、2018年5月に日本アフリカ学会第55回学術大会において、「在外ギニア人たちと Ebola―出身地の社会問題との向き合い方―」というタイトルで口頭発表を行った。これは主に、2018年2月から3月にかけて、パリ在住の性別・職業・ 在住歴が異なるギニア人5名に対し実施した、出身地におけるエボラ出血熱の流行をめぐる体験をテーマとした聞き取りをまとめたものである。在外ギニア人たちが「故郷」における深刻な社会問題について、「正しい」情報を共有することよりも、問題をめぐっての感情の共有を重視する様子や、「正しい」情報を流通させたい側の思い込みや過剰な期待について指摘した。また、2018年8月から9月にかけてパリにおいて再度同じテーマで、さらに2018年12月から2019年1月にかけて約2週間のフィールドワークをギニア共和国内にて実施した。ここでは、主に首都と地方(ボケ県カムサー地区)における情報や知識の共有のされ方をテーマとしたインタビュー調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度まで産休育休により遅れが生じていたが、2018年度では、口頭発表および2度のフィールドワークを実施することで、可能な限り挽回を計った。ただし、総括するまでには至らなかったため、研究期間を1年延長した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は研究の総括として、近接分野の研究者によるワークショップまたは研究会を実施したと考えている。また、研究の成果を幅広くフィードバックするために、写真を多数用いたフォトブックの作成を予定している。
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Causes of Carryover |
2017年度に産休および育休取得し、研究活動を休止していたために、2018年度中に総括まで至らず、次年度使用額が生じた。使用計画としては、研究成果をまとめたフォトブック(冊子)の印刷費として考えている。
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