2015 Fiscal Year Research-status Report
最低生活保障の基本原理に関する考察~実証主義への批判的検討を中心に~
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15K17224
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
村田 隆史 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (20636477)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生存権 / 最低生活保障 / 生活保護 / 社会保障研究 / 実証主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、深刻化する貧困問題(子ども、若者、高齢者、女性、ワーキングプア等)の改善を実現するための基礎的作業として、最低生活保障の基本原理に関する検討を行うことである。具体的には、1.生活保護法と憲法25条(生存権)の関連の整理、2.最低生活保障のあり方=社会保障の基本原理の提示、3.社会科学研究の方法論に関する提言、を行う予定である。 1年目(平成27年度)は基礎的作業として、先行研究とこれまでの研究成果の再整理を行い、課題を抽出することとした。先行研究の整理として各種学会や研究会に参加し、最新の研究成果の収集と参加した研究者と意見交換を行った。具体的には、社会政策学会、日本社会福祉学会、日本福祉図書文献学会、東北経済学会、医療・福祉問題研究会、社会保障政策研究会に参加した。また、資料収集のために日本社会事業大学図書館を訪れ、最新の資料収集を行った。資料については、経済学・社会学・法学・社会福祉学分野の占領期研究の文献と各種団体の資料を収集し、分析を進めていく。 研究成果としては、著書(分担)の執筆と学術論文の投稿、学会報告を行った。学術論文は、公益財団法人日本医療総合研究所、医療・福祉問題研究会、日本福祉図書文献学会が発行している雑誌に掲載されている。研究課題のうち、1.生活保護法と憲法25条(生存権)の関連の整理、3.社会科学研究の方法論に関する提言、についてのこれまで行ってきた研究成果の一部を公表している。研究成果に対して、他の研究者の反応を待ちつつ、今後の研究に反映させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果を予定よりも早めに発表することができた。資料収集と他の研究者との意見交換がスムーズに進んだこともあり、2年目(平成28年度)に投稿することを目指していた論文を平成27年度に掲載することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目(平成28年度)は前年度の取り組みをふまえて、学会報告と論文投稿を行っていく予定であったが、早めに研究成果を発表できたこともあり、今年度は他の研究者からの反応を待つことに重点を置く。研究成果についての指摘や助言を受け、研究方法論の再検討を行うことも考えている。 ただし、当初から予定していた2年目(平成28年度)の学会報告と学術論文の投稿は行う。今年度は最新の研究成果の収集と分析、自らの研究成果への指摘の検討(研究方法論の再検討も含む)、研究成果の発表を並行して行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
物品費は研究成果をまとめるためにノートパソコンを購入する予定であったが、年度中に所属機関を変更したため、次年度に使用することとした。旅費は予定よりも資料・情報収集のために研究出張を行うことが多くなったため、予定額を超過した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費については、今年度中に予定していた物品を購入する。旅費については、研究出張の回数を調整する。
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Research Products
(5 results)