2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of Labor and Employment Problems in German Political Education
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15K17407
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
寺田 佳孝 東京経済大学, 経済学部, 講師 (50705960)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ドイツの政治教育 / カリキュラム分析 / 労働・雇用問題 / 貧困問題 / 聞き取り調査 / ドイツ政治・社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年の主な研究成果は、次の3点である。 第1に、労働・雇用問題を含むドイツの政治教育について、その学外の主要実施期間として知られる連邦政治教育センターに関する調査を実施した。まずは同センターの掲げているプログラムを分析し、主な政治教育の目的、具体的な学習テーマ、そして教育方法について明らかにした。その後、実際に同センターを訪問し、担当者より聞き取り調査を実施した。その際、同センターが実施している学習プログラム、出版活動、教員支援プログラム、難民への学習支援の実態と課題について、情報を収集した。 第2に、労働・雇用問題を含むドイツの政治教育の実態に関する調査を実施した。従来、日本におけるドイツの政治教育研究において、実態分析が不十分であったことを踏まえ、まずは政治教育活動に関わる諸団体を訪問し、政治教育学者をはじめ学校教員、実践家等を中心に聞き取り調査を行った。そのうえで、現在の政治教育の課題と問題、主要な目的等について、現場の方々の意見を収集した。 第3に、労働・雇用問題と関わり重要な学習テーマとなっている同国の貧困・経済問題に関する政治教育のカリキュラム調査を開始した。本作業の第1段階として、カリキュラムを分析する視点を整理する目的から、ドイツの経済・貧困問題を扱っている社会学者、貧困研究者等の分析を収集し、その内容を整理した。 以上の本年の作業の結論として、ドイツでは、労働・雇用問題について学校の政治教育のカリキュラムのみならず、連邦政治教育センターなど学外の諸活動でも扱われていること、また、労働・雇用問題と貧困・格差問題等は合わせて学習することが予定されている点を明らかにした。また、同テーマを含め、政治教育学者や教員たちは政治教育に熱心に取り組んでいる一方、難民問題を含め、政治教育の実施にはかなりの問題を抱えていることも明らかにした。
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Research Products
(2 results)