2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K18155
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
竹内 崇 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80624395)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 立ち上がり時間の短い突風 / 風力のオーバーシュート現象 / 数値流体計算 / 高速載荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
短時間で風速が急増する突風がもたらす,極めて大きな風力(オーバーシュート風力)によって生じる建物構造部材の内力分布と,このような急激な載荷速度下での構造部材の耐力(突風耐力)を,数値流体計算と高速載荷実験により明らかにすることを目的とし,平成27年度は以下のことを明らかにした。 ・立ち上がり時間の短い突風下の建物に生じるオーバーシュート風圧力の分布特性に関して,陸屋根建物,切妻屋根建物,寄棟屋根建物を対象とし,風向角を変数とした数値流体計算を行い,各屋根形状でオーバーシュート風圧力の分布特性が異なり,大きなオーバーシュート現象が生じる風向角が屋根形状によって異なることを明らかにした。 ・立ち上がり時間の短い突風下で,オーバーシュート風圧力が作用した際に,建物の小屋組みを構成する垂木に作用する非定常風力を分析し,突風下の切妻屋根建物においては,ケラバ寄りの垂木に大きな力が作用することを明らかにした。 ・突風下での木造建築物の柱脚接合部の耐力を明らかにすることを目的として,動的アクチュエータを使用した高速載荷実験システムを構築し,長ほぞ込み栓打ちの柱脚接合部の試験体に対して,載荷速度を変数とした実験を行い,接合部耐力に及ぼす載荷速度の影響を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
突風耐力に関する実験において,当初の予定では,平成27年度は静的載荷のみを行う予定であったが,高速載荷の実験システムを予定より早く構築することができ,高速載荷実験に取りかかることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
・屋根面でのオーバーシュート風圧力の分布特性に関して,屋根の軒の出や棟部の突起を再現したモデルで数値流体計算を行い,それらが非定常風圧力の分布特性に及ぼす影響を明らかにする。 ・突風下での風圧力のオーバーシュート現象が構造部材の内力に及ぼす影響に関して,垂木以外の構造部材についても解析を進め,その影響を明らかにする。 ・突風下の木造構造物の柱脚接合部の耐力に関して,接合部が金物で構成される場合の載荷速度の影響を明らかにする。
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Causes of Carryover |
接合部耐力に関する実験システムの構築において,既存の装置や機器を活用することが出来たため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
木造接合部の耐力に及ぼす載荷速度の影響を明らかにするための高速載荷実験において,検討項目を増やし,より詳細な検討を進めるための試験体数拡大の費用に当てる。
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Research Products
(3 results)