2016 Fiscal Year Research-status Report
ディーゼル機関におけるアンモニアの燃焼及び燃焼生成物排出特性の解明
Project/Area Number |
15K18298
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
仁木 洋一 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (10511587)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アンモニア / 代替燃料 / ディーゼル / 燃焼解析シミュレーション / cantera |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に製作した実験装置を用いて、ディーゼル機関の吸気にアンモニアガスを混合し、筒内に直接噴射される軽油とアンモニアを混焼させた。筒内に直接噴射される軽油の噴射時期及び噴射量を変更した実験を行い、燃焼室内におけるアンモニアの燃焼について考察した。また、筒内に直接噴射される軽油噴射の多段化により、昨年度明らかになったアンモニア混合により増加する排ガス中の未燃アンモニア、一酸化二窒素の低減手法を検討した。さらに、昨年度から引き続き燃焼解析シミュレーションの開発を行った。 実験の結果、燃焼室内でアンモニアは、軽油噴霧の火炎内において燃焼していることが示唆された。また、主噴射の前に少量の軽油を噴射するパイロット噴射を行った場合、パイロット噴射時期の進角と共に未燃アンモニアが減少し一酸化二窒素が増加した。主噴射の後に少量の軽油を噴射するポスト噴射を実施した場合、熱効率の悪化、ポスト噴射時期の遅角と共に未燃アンモニアが減少し一酸化炭素が増加した。上述の結果より、軽油噴射弁の噴孔径や噴射圧力の変更、軽油の多段噴射により未燃アンモニアや一酸化二窒素を低減できる可能性があることが分かった。 燃焼解析シミュレーションでは、噴霧燃焼モデル(廣安モデル)とその燃焼計算部分に化学反応解析ソフト(Cantera)を用いるシミュレーションを作成した。また作成したシミュレーションによる予測結果と実験結果の比較を行い、燃料に軽油のみを使用した場合、噴霧空気導入量に関する係数を調整することにより、熱発生率・筒内圧力の予測結果が実験結果と良く一致することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に発見されたアンモニア混合による未燃アンモニア、一酸化二窒素排出に対する効果的な対策は、見つかっていない。しかし、これらの低減に関して有益な知見が、本年度の実験から得られた。作成した燃焼解析シミュレーションによる結果は、実験結果と良く一致させることができ今後の改良によりさらなる発展が期待できる。来年度の研究において、計画書の目標を達成できる見込みがあるため、上記の進捗状況であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
アンモニア混合による未燃アンモニア、一酸化二窒素排出対策として、軽油の噴射弁の変更や多段噴射制御の高度化を行い低減効果の増大を、実験的に検討する。燃焼解析シミュレーションを、排出ガス組成の予測・予混合部分の燃焼反応の考慮が可能な様に改良する。改良したシミュレーションによる解析結果と実験結果から、アンモニアを吸気に混合した場合の最適なディーゼル機関運転状態を検討する。
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Causes of Carryover |
英文論文を雑誌に投稿中であるが掲載が決定しないため、掲載料を未だ支払っていない。また、英文校閲等の費用を使用していない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文掲載料、英文校閲費用よして使用予定である。
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Research Products
(3 results)