2016 Fiscal Year Research-status Report
超高熱流環境下における非接触ダイバータプラズマ特性の解明とその制御に関する研究
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15K18312
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
星野 一生 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 那珂核融合研究所 先進プラズマ研究部, 主幹研究員 (50513222)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 核融合プラズマ / トカマク / 核癒合原型炉 / 非接触ダイバータプラズマ / 統合ダイバータシミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
数値シミュレーションによる非接触ダイバータプラズマシミュレーションの精度向上と、核融合炉における制御手法開発に向けて、今年度は統合ダイバータコードSONICの改良と、原型炉ダイバータプラズマのシミュレーション解析を進めた。 (1)コード改良においては、3つのモデルを単一コードとして組み上げていたSONICコードを、3つのコードがMPIでデータ交換を行いながら独立して実行されるMPMD(Multiple-Program Multiple-Data)システムへ再構築した。これにより、各コード間の独立性が高まり、大規模なコード改良を行う基盤が構築できた。続いて、複数種の冷却用不純物ガスの取り扱いやHe灰の輸送を取り扱うために、SONICコードの多種不純物化を行った。MPMDのフレームワーク上で独立した不純物輸送コードIMPMCを複数同時実行することで、多種不純物化を実現した。現在、テスト計算を進めており、次年度に多種不純物の効果について解析・検討を行う。 (2)大半径8m級で核融合出力1.5GW程度の核融合原型炉を対象として、SONICコードを用いてダイバータプラズマの解析を行った。熱負荷低減のための非接触ダイバータ形成に不利である低SOL密度においても、主プラズマから流出する熱の80%を不純物放射させることができれば、部分非接触ダイバータが形成され、熱負荷を8MW/m2程度に低減できることがわかった。しかし、低SOL密度に起因して非接触ダイバータ領域は狭いため、イオン温度が高く、損耗が問題となる。非接触ダイバータ領域を広げ、損耗を抑制するために、より高SOL密度の運転シナリオや複数種の不純物ガス導入等について検討を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コード開発、原型炉ダイバータプラズマの解析は計画通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27、28年度に引き続き、シミュレーションコードの改善、コード間ベンチマーク、原型炉ダイバータプラズマ特性の解析を進め、それらの知見をもとに、核融合炉における非接触ダイバータプラズマの制御手法の検討を進める。
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Causes of Carryover |
コード間ベンチマークに関して専門家との議論のため海外研究所への訪問を予定していたが、国内で開催された国際会議において訪問予定先の専門家と議論を行うことができ、訪問を取りやめたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果の発表や専門家との討論・情報交換のため、国際会議、国内学会、研究打合せ等の旅費として使用する。
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Research Products
(3 results)