2015 Fiscal Year Research-status Report
ALS/FTLDにおけるポリグルタミン凝集タンパク質の解析
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15K18367
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
多田 美紀子 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (30722467)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | matrin3 / MATR3 / SALS |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリグルタミン凝集蛋白の一つであるmatrin3は新規家族性筋萎縮性側索硬化症(FALS)の原因遺伝子として発見された。孤発性筋萎縮性側索硬化症(SALS)について病理学的検討を行い、Matrin3のSALSにおける病態への関与を考察した。SALS剖検例10例とコントロール剖検例5例の腰髄パラフィン包埋切片を、抗Ubiquitin抗体、抗Matrin3抗体、抗リン酸化TDP-43(Pser409/410)抗体を用いて免疫組織化学的に検討した。SALS例は全例で脊髄前角細胞にUbiquitin陽性、pTDP-43陽性細胞質内封入体(NCI)、グリア細胞に細胞質内封入体を認めた。コントロール症例ではいずれの細胞質内封入体にも陽性所見は認めなかった。抗Matrin3抗体では、SALS10例中6例で細胞質内封入体に陽性所見を認め、核の濃染像に関しては症例により異なる結果であった。コントロール症例では、Matrin3陽性NCIは認めなかった。SALS例におけるpTDP-43とMatrin3との二重染色ではMatrin3陽性、pTDP-43陽性の細胞質内封入体、pTDP-43陽性でMatrin3陰性の細胞質内封入体が認められ、pTDP-43陰性でMatrin3陽性の封入体はみられなかった。Johnsonらの報告では、SALS症例でmatrin3陽性の細胞質内封入体が認めているのは、C9orf72repeat伸長を持つ症例が提示されている。我々の検討では半数以上の症例でNCIにおける陽性所見を認め、TDP-43とのco-localizeを証明することができた。このことは、Matrin3が孤発性ALSにおいてもその疾患病態に関与していることの裏付けとなると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ポリグルタミン凝集蛋白のうち、Matrin3に関しては、孤発性ALSの細胞質内封入体に染色性を示していた。この結果よりTDP-43と相互作用し、孤発性ALSの病態生理に関与している可能性が高いことがいえる。この内容に関しては現在論文投稿中である。また、DDX-17についても孤発性ALSの細胞質で異常に凝集することを確認している。他のポリグルタミン凝集蛋白について孤発性ALSの病理検体を用いて免疫組織科学的検討をしたが、明らかな異常所見はみられていない。
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Strategy for Future Research Activity |
matrin3以外のポリグルタミン凝集タンパク質について、ALS、FTLDのモデルマウス・ヒト剖検例において免疫組織科学的検討を行い、新規ALS病態関連分子を同定する。 ポリグルタミン凝集蛋白のうち、TDP-43、FUS/TLS、uqiquilin2をコードする遺伝子は家族性ALSの原因遺伝子として判明しており、孤発性ALS患者においてポリグルタミン凝集蛋白をコードする遺伝子を解析する。 Neuro2a細胞を用いてポリグルタミン凝集体生成に与える影響を検討する。
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Causes of Carryover |
平成28年度も27年度に引き続き免疫組織科学的検討の継続のため抗体の購入、またポリグルタミン凝集蛋白をコードする遺伝子の孤発性ALS患者での解析を行うための費用がかかるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
免疫組織科学的検討のための抗体、試薬の購入 ポリグルタミン凝集蛋白のNeuro2Aを用いた機能解析を行う際の試薬購入 ポリグルタミン凝集蛋白をコードする遺伝子の孤発性ALS患者における変異検索における費用
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Research Products
(2 results)