2016 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of KLK3 as a biomarker for breast cancer
Project/Area Number |
15K18426
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中田 飛鳥 金沢大学, がん進展制御研究所, 助教 (70597921)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 乳がん / 分子標的治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳癌は女性において最も発生頻度の高い癌であり、死亡数は肺癌についで2番目に死亡数の多い癌である。ホルモン受容体(ER and/or PgR陽性の患者に対しては、アロマターゼ阻害剤やタモキシフェンなどのホルモン療法が効果的である。HER2陽性タイプは予後不良であるが、HER2陽性の患者に対してはトラスツズマブ(ハーセプチン)やペルツズマブ(パージェタ)など抗HER2療法が生存予後を改善することが知られている。しかしながらトリプルネガティブ乳癌はこれらの受容体を発現しないため、治療法は化学療法のみと限られている。トリプルネガティブタイプは全乳癌患者の10~15%と報告されており、他のサブタイプに比べて悪性度が高く予後不良であるトリプルネガティブ乳癌の早期診断と治療標的分子の同定が着実に予後の改善につながる。本研究では、およそ2000名の乳癌患者のマイクロアレイデータから294人のトリプルネガティブタイプ患者を抽出しKLK3の発現と生存日数でカプランマイヤー曲線および多変量解析を行い、トリプルネガティブタイプ患者ではKLK3高発現群は予後不良であることが明らかになった。 本研究で着目したKLK3(PSA)はすでに前立腺がんで臨床応用されている腫瘍マーカーであることから、前立腺がんの腫瘍マーカーとして使用されてきた際に得られた知識や情報を最大限に利用することで、乳癌のトリプルネガティブタイプでの腫瘍マーカーとして応用で応用可能であることが期待される。
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