2015 Fiscal Year Research-status Report
大腸発癌リスクを予測するヒストン修飾異常解明と個別化予防の確立
Project/Area Number |
15K18431
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
原田 拓 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60468030)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大腸がん / メチル化 / ヒストン修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では大腸発癌フィールド形成に関わるヒストン修飾異常を解明し、大腸癌リスク予測マーカーとして臨床応用することを目的としている。CIMP大腸腫瘍の多発症例および非CIMP大腸腫瘍症例の正常大腸粘膜におけるヒストン修飾(H3K4me3とH3K27me3)をChIPシークエンス法で解析した。ES細胞においてBivalent修飾を受け、かつ癌細胞でDNAメチル化する遺伝子の多くは、CIMP大腸腫瘍の多発症例の背景大腸粘膜においてH3K27me3でマークされていた。また正常大腸粘膜においてH3K27me3でマークされている遺伝子の約60%が、ES細胞ではBivalent修飾を受けていた。これらの結果から正常大腸粘膜におけるヒストンH3K27me3が大腸腫瘍のエピゲノム異常のpre-markとなっている可能性が示唆された。バイオインフォマティクス解析から大腸癌高リスク群とされるCIMP大腸腫瘍症例の正常大腸粘膜に特徴的なヒストン修飾パターンを示す遺伝子を約10個抽出した。多数の臨床検体を対象にChIP-qPCR解析を行う予備実験を行い、新鮮凍結切片からヒストン修飾解析ができるように、ChIP-qPCRの条件を最適化した。さらに新鮮臨床検体を約120検体採取しヒストンH3K4me3およびH3K27me3に対する抗体を用いてChIPを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どうり、網羅的解析からの候補遺伝子の抽出、多数の臨床検体を用いたChIP-qPCRの条件検討、臨床検体の採取とChIPを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
候補遺伝子におけるヒストンメチル化の、大腸癌リスク予測マーカーとしての有用性を検証するため、多数の臨床検体を対象にChIP-qPCR解析を行う。
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Causes of Carryover |
順調にChIP-シークエンスからの候補遺伝子の絞り込みができ、またChIP-qPCRの条件検討も進んだ。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
より多数検体でのChIP-qPCR施行とメチル化、発現解析に使用する。
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[Journal Article] Epigenetic silencing of NTSR1 is associated with lateral and noninvasive growth of colorectal tumors.2015
Author(s)
Kamimae S, Yamamoto E, Kai M, Niinuma T, Yamano HO, Nojima M, Yoshikawa K, Kimura T, Takagi R, Harada E, Harada T, Maruyama R, Sasaki Y, Tokino T, Shinomura Y, Sugai T, Imai K, Suzuki H.
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Journal Title
Oncotarget.
Volume: 6
Pages: 29975-90
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] BRAF変異を有する進行大腸癌の内視鏡的特徴2015
Author(s)
檜森亮吾, 山野泰穂, 松下弘雄, 吉川健二郎, 原田英嗣, 高木亮, 田中義人, 中岡宙子, 吉田優子, 青木敬則, 山本英一郎, 鈴木拓, 菅井有
Organizer
第89回日本消化器内視鏡学会総会
Place of Presentation
名古屋国際会議場(名古屋市)
Year and Date
2015-05-29 – 2015-05-31