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2015 Fiscal Year Research-status Report

抗体薬物複合体療法における複数分子同時イメージングによる治療効果予測法の開発

Research Project

Project/Area Number 15K18447
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

竹中 文章  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10642522)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2017-03-31
Keywords抗体療法 / 分子イメージング
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、放射性ジルコニウムおよび放射性ヨウ素で標識した抗体の挙動を複数分子イメージング装置で可視化することで、免疫複合体の内在化量の測定を可能することにある。平成27年度は抗体活性を損なわない89Zr/125I標識条件を探索し、各標識抗体の培養がん細胞および担がんマウス投与後の挙動を調べた。同時に、HER2の内在化を抑制することが知られるLapatinib(dual HER2/EGFR TKI)を投与した場合の影響について検討を行った。
89Zrおよび125Iの標識はそれぞれ、Deferoxamineを介した間接標識法、酸化剤としてIODOGENを用いた直接標識法を用いた。得られた放射標識抗体のHER2に対する解離定数は、それぞれ0.97、0.38nMと同程度の高い活性を示す標識条件を見出した。
各標識抗体をがん細胞表面に結合させた後、経時的な放射能分布を調べた結果、いずれの核種も細胞表面の分布は時間経過とともに減少した一方で、89Zrを用いた場合では細胞内画分が、125Iを用いた場合では分解物画分が上昇した。また、Lapatinibを投与することで、細胞表面画分の減少、および89Zrの細胞内画分、125Iの分解物画分の上昇が顕著に抑制された。このことから、89Zrは細胞内に蓄積し、125Iは分解物として細胞外へ排出される性質を示すことが確認された。
担がんマウスを用いた臓器放射能分布実験の結果、89Zrは時間経過とともに腫瘍集積が増大した一方、125Iは集積が減少した。また、Lapatinib投与により89Zrの腫瘍集積は減少した一方で、125Iの集積は増大し、in vitro実験と同様な傾向を示すことが確認された。
以上の結果から、異なる2つの核種で標識した抗体を用いて同時にイメージングを行うことで、免疫複合体の内在化を非侵襲的かつ定量的に評価できることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成27年度は放射標識抗体調整法の確立、放射標識抗体のin vitroにおける挙動評価、89Zr、125I標識抗体の腫瘍モデルマウス生体内分布測定を予定した。交付申請書に記載のHER2内在化速度に影響を与える薬剤を変更したが、予定した一連の検討は滞りなく遂行した。得られた成果により平成28年度に実施予定の複数核種同時イメージングによる評価を行う準備体制が整った。

Strategy for Future Research Activity

複数分子同時イメージング装置を用いて、放射性ジルコニウムおよび放射性ヨウ素を標識した抗体の生体内分布を可視化する。同一個体における経時的な複数分子の挙動変化を測定することにより、dual HER2/EGFR TKIであるLapatinibの投与によりHER2内在化を抑制した際の内在化速度を、定量的・非侵襲的に測定できるかを調べる。また、異なる複数のHER2発現細胞株の免疫複合体内在化速度の差についても同様に調べる。
各HER2高発現細胞間において免疫複合体の内在化速度に差が見られれば、複数の細胞株を用いた腫瘍モデルマウスにおける抗体薬物複合体の治療効果を評価し、内在化速度が与える治療効果への影響を検討する。

Causes of Carryover

平成27年度は順調に研究が進捗したため、薬剤・実験動物等の購入費用を軽減できた。また、複数分子同時イメージング実験のため理化学研究所への出張旅費として使用する予定であったが、主として岡山大学内で研究を推進した。以上の理由により余剰の研究費は次年度へ繰り越すこととした。

Expenditure Plan for Carryover Budget

最終である平成28年度は研究実施計画に基づいた消耗品購入、実験旅費等へ使用予定である。また、前年度繰越分を成果発表のために、国内外の関連学会に出席するための旅費に使用する予定である。

URL: 

Published: 2017-01-06  

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