2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K18530
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
渋谷 周作 山口大学, 共同獣医学部, 助教 (20534473)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | オートファジー / Atg |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内大規模タンパク質分解系であるオートファジーは、がん・神経変性・感染症などの抑制から発生・分化まで多岐にわたる生理機能を持つ。近年、細胞内の不要・危険物(細胞内寄生菌、 損傷リソソーム、不良ミトコンドリアなど)をオートファジーが選択的に除去し、細胞内恒常性の維持に寄与していることが明らかになり、「選択的オートファジー」と呼ばれている。 選択的オートファジーにおいては、分解されるべき基質にオートファジー関連タンパク質(Atgタンパク質)が集積することが知られているが、具体的にどのAtgタンパク質の集積の結果何が起こるのかが不明である。本研究の予備実験においては、各Atgタンパク質を強制的に細胞内小器官に集積させる実験系を構築した。その結果、LC3をミトコンドリアに強制的に集積させた場合に、ミトコンドリア量が顕著に減少することが明らかとなった。また、このミトコンドリア量の減少はリソソーム阻害剤であるBafilomycin A1によって阻害された。LC3は、隔離膜およびオートファゴソームの膜分子(フォスファチジルエタノールアミン)に共有結合し、オートファゴソーム形成の最終段階である隔離膜閉鎖に必要だと考えられている。以上のことから、これらの実験結果は、LC3(もしくはLC3が結合している分子、隔離膜・オートファゴソーム膜)をミトコンドリアに強制的にリクルートするだけで、ミトコンドリアがリソソーム依存性の経路で分解されることを示す。現在、この現象の、より詳細なメカニズムを探索中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
職場の移動により、使用する機器の変更に迫られたことなどから、当初の予定よりはやや遅れている。今後、共通機器などを積極的に用いて進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのライブイメージングの解析結果から、ミトコンドリアが隔離膜に接した時に、接点でミトコンドリアが分裂するのではないかという仮説が得られた。この仮説を確かめるため、ミトコンドリア分裂促進因子であるDrp1やMffと、オートファゴソーム/隔離膜マーカーであるLC3などの共局在関係を調べるため、準備を進めている。
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Causes of Carryover |
当該年度の初めに職場の移動があったため、予定よりも研究の進展にやや遅れが見られ、研究費の余剰が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度も引き続き、実験に必要な消耗品購入が主な使用用途となる予定である。
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[Journal Article] Guidelines for the use and interpretation of assays for monitoring autophagy (3rd edition)2016
Author(s)
Klionsky DJ, Abdelmohsen K, Abe A, Abedin MJ, Abeliovich H, Acevedo Arozena A, Adachi H, Adams CM, Adams PD, Adeli K, Adhihetty PJ, Adler SG, Agam G, Agarwal R, Aghi MK, Agnello M, Agostinis P, Aguilar PV, Aguirre-Ghiso J, Shibutani S. et al.
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Journal Title
Autophagy
Volume: 12
Pages: 1-222
Int'l Joint Research
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