2016 Fiscal Year Research-status Report
天然物の作用機構解明に基づく新規がん細胞致死機構の探索
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15K18821
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
熊添 基文 九州大学, 農学研究院, 特別研究員(PD) (70737212)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | がん / 天然物 / がん幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんは国民の約30% の死因を占めているにもかかわらず、有効な治療法が確立されていない。既存の抗がん剤に対して腫瘍が耐性を獲得する薬剤耐性や抗がん剤による重篤な副作用が深刻な問題となっている。一方で申請者らは、緑茶ポリフェノールEpigallocatechin-3-O –gallate (EGCG) が勃起や血管弛緩を担うセカンドメッセンジャーとして知られているcGMPを介してがん細胞特異的にアポトーシスを誘導することを報告した(Kumazoe et. al. Journal of Clinical Investigation 2013)。そこで本研究ではEGCG のさらなる機構解明を糸口に新規治療戦略の確立を目指した。その結果、これまでがん抑制遺伝子として考えられてきたFOXO3が実はがん幹細胞性に重要であることを明らかにした (Kumazoe et al Oncogene 2016)。また、その下流機構についても解明を終え、現在論文を投稿中である。さらに、EGCGのがん細胞性阻害作用をPDE3阻害剤は顕著に増強することを見出した (Kumazoe et al Scie Rep 2016)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
新規のがん幹細胞維持に必要な分子機構の解明に成功し、さらにそれを臨床的に可能な形で増強することに成功したから。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに明らかにした臨床的に可能な手法に基づくcGMP経路増強について、臨床応用を見据え、より外挿性が高い同所移植モデルにて評価を行い、cGMPに基づくがん治療の臨床応用を目指す。
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