2015 Fiscal Year Research-status Report
TMEPAIファミリーによる悪性中皮腫進展抑制機構
Project/Area Number |
15K18866
|
Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
中野 なおこ 昭和薬科大学, 薬学部, 助教 (50733218)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | C18ORF1 / TMEPAI / YAP |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、Hippoシグナル標的遺伝子CTGFのプロモーターを組み込んだレポーターを用いて、TMEPAIファミリー(特にC18ORF1)がYAPによって活性化されるルシフェラーゼ活性を抑制する結果を得ていた。そこで、TMEPAIファミリーとYAPの結合を検討し、TMEPAIファミリーとYAPが結合すること、また、その結合領域はTMEPAIファミリーのPYモチーフとYAPのWWドメインであることを明らかにした。YAPと結合しないPYモチーフを欠損したC18ORF1 PY変異体では、YAPによるCTGFレポーター活性を抑制しないと推測したが、YAPの活性を抑制した。そのためC18ORF1がHippoシグナル構成分子の機能を促進するのではないかと推測し、構成分子との結合について検討し、C18ORF1とLATS2、WW45が結合することを明らかにした。また、C18ORF1がYAPの機能を抑制することで悪性中皮腫の発症または悪性化の進展を抑制する可能性を検討するために、レンチウイルスを用いて悪性中皮腫細胞にC18ORF1を高発現させ、細胞増殖能について検討した結果、コントロールの細胞に比較してC18ORF1高発現細胞の増殖能が低下していることが示唆される結果を得た。さらに、軟寒天培地を用いてコロニー形成能を検討した結果、コントロールの細胞に比較してC18ORF1高発現細胞によるコロニー形成能が抑制されると示唆された。これらの結果は、TMEPAIファミリーによって悪性中皮腫の進展を抑制できる可能性が示唆される結果であり、今後の研究を進めるにあたり重要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
YAPと結合しないPYモチーフを欠損したC18ORF1 PY変異体では、YAPによるCTGFレポーター活性を抑制しないと推測したが、YAPの活性を抑制した。このことから、当初、予測していたメカニズムではなかったため、C18ORF1がHippoシグナル構成分子の機能を促進するのではないかと推測し、構成分子との結合について検討し、C18ORF1とLATS2、WW45が結合することを明らかにした。また、最近、NEDD4がLATSやWW45を分解するという報告があり、申請者はTMEPAIがNEDD4と結合するという結果を得ていたことから、TMEPAIファミリー分子であるC18ORF1もNEDD4と結合し、C18ORF1がNEDD4の機能を抑制することでLATS2及びWW45の機能が回復し、YAPの活性を抑制すると推測し、検討を行っていることから、予定よりも研究が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
さらに、様々な方向からYAP抑制メカニズムを検討する。また、C18ORF1を高発現した細胞では細胞増殖やコロニー形成能が抑制されると示唆される結果を得ていることから、YAP標的遺伝子の発現への影響なども検討し、TMEPAIファミリーによって悪性中皮腫の進展を抑制できる可能性を検討していく。
|
Research Products
(2 results)