2016 Fiscal Year Annual Research Report
Crosstalk between RNA silencing and antiviral response in mammalian cells
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15K19124
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 朋子 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (00738792)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | RNAサイレンシング / 抗ウイルス応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
内在性の小分子ノンコーディングRNAであるsmall interfering RNA (siRNA)、microRNA (miRNA)、PIWI-interacting RNA (piRNA)は、細胞内で塩基配列特異的にmRNAに対合し、mRNAの切断や翻訳抑制などを誘導することで、広く多様な遺伝子発現を制御している。一方、ウイルスなどの外来性RNAは、細胞内でウイルスセンサータンパク質に感知され、インターフェロンの誘導を伴った抗ウイルス応答機構を活性化させる。内在性RNAにより誘導されるRNAサイレンシング機構と、外来性RNAにより誘導される抗ウイルス応答機構は、これまでそれぞれ独立した経路であると考えられてきたが、本研究課題では、両経路に共通に作用する因子を同定し、両経路がクロストークすることを明らかにした。2016年度は、2015年度にゲノム編集ツールであるCRISPR/Cas9システムにより樹立したノックアウト細胞株を用いて、ルシフェラーゼ遺伝子を用いたレポーターアッセイ系によるRNAサイレンシング活性の測定実験や、リアルタイムPCR法による遺伝子の発現量変化の測定実験を行った。また、免疫沈降法により、RNAサイレンシング機構において作用する因子と、抗ウイルス応答機構において作用する因子の相互作用の関係を明らかにした。インターフェロンの誘導を伴った抗ウイルス反応は哺乳類において保存された機構であり、RNAサイレンシングにおいて精力的に研究が進められているハエや線虫では起こらない反応である。本研究課題の進展により、哺乳類の生命現象に保存された分子機構の解明に結びつくと期待できる。
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Research Products
(11 results)