2015 Fiscal Year Research-status Report
メタボロミクス解析を用いた薬剤性間質性肺炎の発症メカニズムの解明
Project/Area Number |
15K19169
|
Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
齊藤 公亮 国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 主任研究官 (10650608)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | メタボロミクス / 薬剤性間質性肺炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、メタボロミクス解析に最適な細胞数の検討を行い、細胞数で3X10の5乗、タンパク量で2.5mgが最適であることを明らかにした。次に繊維芽細胞であるNIH3T3細胞に対して、6種類(ブレオマイシン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ドセタキセル)の間質性肺炎を引き起こす薬剤を24時間及び72時間暴露し、脂質各分を抽出した。また、濃度については推定される最高血中濃度およびその10分の1の濃度を暴露している。まず、リン脂質、スフィンゴ脂質、中性脂質を測定する、ノンターゲットメタボロミクス解析によって、コントロールと差異が認められる代謝物を探索したが、全てのイオンピークを元に多変量解析を用いた場合にはコントロールと暴露群において分離が認められなかった。詳細に各分子について比較を行ったが、一部のPC等差異が認められる分子が存在したものの、その差はわずかであった。したがって、本モデルにおいてはリン脂質、スフィンゴ脂質、中性脂質はバイオマーカーとなりえないことが考えられた。したがって、メタボロミクス解析の標的を切り替え、本年度に構築した脂肪酸、ステロイド代謝物、及び構築済みである脂質メディエーター(プロスタグランジンをはじめとするオキシリピン類)について検討を行っている最中である。平行してモデルマウスの作成について検討をはじめ、ブレオマイシン誘導性間質性肺炎モデルを作成中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初変化が認められると予測していたリン脂質、スフィンゴ脂質、中性脂質に変化が認められず、バイオマーカー候補の探索が立ち遅れている。また、脂肪酸、ステロイド系代謝物の測定系の構築にも時間を要したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
ノンターゲット法で測定できる、リン脂質、スフィンゴ脂質、中性脂質がバイオマーカー候補となる可能性が低いと判断されたため、遊離脂肪酸、ステロイド系代謝物、脂質メディエーター(オキシリピン類)に標的を絞り、研究を加速化する。
|
Causes of Carryover |
バイオマーカー探索が不十分であったため、動物実験が進まなかったため。また、4月初頭の学会参加費に当てたが、まだ計上されていないため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
動物実験を開始した際にその分使用する予定。
|