2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K19172
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三上 優 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (50732806)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | LTβR / 喫煙 / 肺気腫 / COPD / 肺機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
COPD病態形成におけるLTβRシグナルの及ぼす影響について検討 1.ヒト気道上皮細胞の培養と機能評価:ヒト気道上皮細胞を培養し、LTβRリガンドであるTNFSF14(LIGHT)で刺激を行ったところ、IL-8,IL-6などの炎症性サイトカインの有意な産生を認めた。このことから、LTβRシグナルは気道上皮からの炎症惹起に関与していることが示唆された。 2.Cigarette smoke extract(CSE)の作成と末梢気道上皮細胞に及ぼす作用の検討:CSEを市販のタバコを用いて作成し、各種濃度(0, 2.5, 5, 10, 20%)を変化させ気道上皮細胞に投与を行った。気道上皮細胞はCSE投与によりIL-8産生を生じたが、予想に反しLTβR発現は上昇せず、当初の肺機能とLTβR発現が逆相関することについては他の細胞の影響が考えられた。このことは公開されている末梢気道上皮細胞へCSE刺激を行ったRNA-seqのデータをTophat, Bowtie, cufflinks, cuffdiffなどのソフトウエアを用いて再解析しても同様の知見が得られた。 3.CSE投与による肺気腫モデルマウス実験系の確立と呼吸機能の評価:当初の予定を前倒しにしてモデルマウス実験系の確立を行った。CSEを連日経気道投与を行い、マウス肺に病理学上気腫性変化を生じることや、呼吸パラメータの変化、気管支肺胞洗浄液での細胞数の変化を確認した。さらに至適な投与期間を確定することができ、実験系の確立を果たした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予想と反する結果が細胞実験で認められたものの、他の公開データ等の再検討で再現性を確認することができたため、次年度に予定していた実験を先行して開始することができ、一部のデータを公表する準備を始めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
ほぼ当初の予定通りに研究を実行することが出来るものと考える。予定している自発的に肺気腫を生じるノックアウトマウスと野生型マウスでの肺組織、遺伝子発現の検討を行いLTβRシグナルとの関係を解明していく予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度にCSEを投与した気道上皮細胞での網羅的な遺伝子発現を検討する予定であったが、当初予想していた標的遺伝子の発現上昇が認められず、実験条件の検討に時間を要したため、計画を変更しマウス実験を先行したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
このため、マウス肺気道上皮細胞およびヒト気道上皮細胞での網羅的な遺伝子発現解析を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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Research Products
(3 results)