2016 Fiscal Year Annual Research Report
The analysis of GPR120 pathway in colorectal tumor and establishment of EPA chemprevention
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15K19342
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
日暮 琢磨 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (90622580)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | EPA / GPR120 / 大腸腫瘍 / 化学予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
脂質異常症、閉塞性動脈硬化症において既に実地臨床で使用されているエイコサペンタエン酸(EPA)は、近年家族性腺腫症患者の大腸腺腫を減少・縮小させたという報告やマウス大腸腫瘍モデルにおいても腫瘍を抑制したという報告があり、大腸腫瘍の化学予防薬としての可能性を有している考えられている。EPAの化学予防作用機序としては、既に存在する大腸腫瘍に対してはCOX-2の抑制作用が主経路と考えられているが、正常大腸上皮でのCOX-2の発現は低く、腫瘍の発生予防機序としては別の経路が関与している可能性が高い。近年EPAを含むω3系不飽和脂肪酸の受容体としてG蛋白共役受容体120(GPR120)が発見され注目されている。我々はこのEPA/GPR120経路に注目し、EPAの大腸腫瘍化学予防効果をGPR120欠損マウスを用いて明らかにする基礎研究/臨床研究を計画した。 我々は、野生株マウス/GPR120欠損マウスにアゾキシメタンを投与し、大腸前癌病変/大腸腫瘍をそれぞれ誘導し、EPAを投与することでACFが減少すること、さらに大腸腫瘍が減少することを確認したが、これらはGPR120欠損マウスにおいては腫瘍抑制作用は認められなかった。これにより、EPAはGPR120を介して抗腫瘍作用を発揮していることが示された。 さらに臨床研究においては、大腸癌のサロゲートマーカーである直腸のACFをエンドポイントとしたRCTを実施し、EPA内服によりACFが有意に減少することがしめされた。 EPAなどは循環器領域で既に心疾患の予防として多く使用されているが、本研究によりさらに大腸腫瘍まで抑制できる可能性が示された。
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Research Products
(3 results)