2015 Fiscal Year Research-status Report
アレルギー疾患におけるヒト上皮細胞microRNAの役割
Project/Area Number |
15K19439
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
五十嵐 ありさ 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, その他部局等, 研究員 (60572998)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | miRNA / アレルギー / ぜんそく |
Outline of Annual Research Achievements |
喘息発症に関与するmiRNAの機能を明らかにするため、当研究部で作製した網羅的遺伝子発現データベースを基にIL33およびTSLPと相関を示すmiRNA(hsa-miR-548c-5p、hsa-miR-3666)を候補として選択した。上皮細胞におけるこれらmiRNAの役割を明らかにするため、気道上皮細胞株A549およびBEAS-2Bを用いて検討を行った。まず上皮細胞において恒常的に発現しているmiRNAをマイクロアレイにより確認した。次にhas-miR-548c-5pおよびhas-miR-3666、コントロールとしてcel-miR-39-3pの強制発現を行った。強制発現させた細胞のmiRNAを、マイクロアレイおよびReal-time PCRを用いて経時的に調べた結果、6時間をピークに140000倍のmiRNAが発現し、その後徐々に減少することが明らかとなった。hsa-miR-548c-5pを発現させた時のIL33, TSLPの発現をReal-time PCRにより測定したが、その発現量に変化は見られなかった。同様にアレルギーに関係するサイトカインIL4, IL5についても発現変動を確認したが、変化は見られなかった。 また、hsa-miR-548c-5pの強制発現より、少し遅れて3種類のmiRNA(has-miR-371-3p, has-miR-4321, has-miR-1225-3p)が上昇することから、hsa-miR-548c-5pは上皮細胞内で何かしら影響していることが示唆された。 しかしながら、IL33を含むアレルギー関連遺伝子の発現に変化がなかったことから、データベースを基に予測されたIL33やTSLPとhsa-miR-548c-5p、has-miR-3666の関係は直接的なものでないと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画において予定していた5種類のmiRNAのうち、2つの強制発現に関する検討は概ね達成することが出来た。しかしながら、残りの3つのmiRNAは発現量が低く、また予備検討でIL33やTSLPとの直接的な関係が否定的であったため、強制発現実験は行わなかった。結果として、「研究実績の概要」において記述した通り、アレルギー疾患関連遺伝子の発現に変化が認められなかったことから、データベースにおいて示された遺伝子とmiRNAの相関は直接的なものでないと考えられる。今後は研究計画に従い他の候補miRNAについても検討すると同時に、IL33やTSLPを強制的に発現させるコンストラクトを作製し、強制発現させた際に変動するmiRNAおよびそのほかの遺伝子両方の影響を考慮して検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのデータより、IL33やTSLPとの関連が示唆された候補miRNA(hsa-miR-548c-5p、has-miR-3666)は、IL33やTSLPを直接は制御していないことが示された。したがって、それらmiRNAの発現変動はIL33やTSLPが発現したことによる二次的な影響である可能性が考えられる。今後は、IL33やTSLPを強制発現する系を構築し、変動するmiRNAおよび遺伝子変化を調べる予定である。また、hsa-miR-548c-5pは肺特異的な発現を示す遺伝子とも相関があるため、肺において重要な役割を果たしていることが推測される。miRNAの強制発現ではアレルギー関連遺伝子に変化が認められなかったが、その詳細な役割を検討するためmiRNAのKO細胞を作製し、miRNAのターゲットおよびサイトカイン等刺激による反応性の比較を行いその機能について検証を行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度の計画では5種類のmiRNAを検討する予定であったが、3種類のmiRNAについては発現量が低く、また予備検討でIL33やTSLPとの直接的な関係が否定的であった。そのため、強制発現による実験は行わず、アレルギー関連遺伝子の強制発現による実験を加えることとした。遺伝子を強制発現させるためのコンストラクトの作製に時間を要したため、条件検討と強制発現によって変動するmiRNAの解析は次年度への繰り越しとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遺伝子の影響を検討するため、まずIL33の強制発現系を構築し、条件検討を行う。その後強制発現によるmiRNAの変動を確認する予定である。強制発現によって変動するmiRNAの評価は研究計画書の通りAgilent micro arrayを使用する。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Platelets constitutively express IL-33 protein and modulate eosinophilic airway inflammation.2016
Author(s)
Takeda T, Unno H, Morita H, Futamura K, Emi-Sugie M, Arae K, Shoda T, Okada N, Igarashi A, Inoue E, Kitazawa H, Nakae S, Saito H, Matsumoto K, Matsuda A.
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Journal Title
The Journal of Allergy and Clinical Immunology
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Conditional deletion of CD98hc inhibits osteoclast development2016
Author(s)
Hideki Tsumura, Morihiro Ito, Masamichi Takami, Miyuki Arai, Xiao-Kang Li, Toshio Hamatani, Arisa Igarashi, Shuji Takada, Kenji Miyado, Akihiro Umezawa, Yasuhiko Ito
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Journal Title
Biochemistry and Biophysics Reports
Volume: 5
Pages: 203-210
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Testicular dysgenesis/regression without campomelic dysplasia in patients carrying missense mutations and upstream deletion of SOX92015
Author(s)
Yuko Katoh-Fukui, Maki Igarashi, Keisuke Nagasaki, Reiko Horikawa, Toshiro Nagai, Takayoshi Tsuchiya, Erina Suzuki, Mami Miyado, Kenichiro Hata, Kazuhiko Nakabayashi, Keiko Hayashi, Yoichi Matsubara, Takashi Baba, Ken-ichirou Morohashi, Arisa Igarashi, Tsutomu Ogata, Shuji Takada & Maki Fukami
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Journal Title
Molecular Genetics & Genomic Medicine
Volume: 3
Pages: 550-557
DOI
Peer Reviewed / Open Access