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2016 Fiscal Year Research-status Report

未熟児における新たな腸管発育評価法の確立と腸保護戦略

Research Project

Project/Area Number 15K19649
Research InstitutionUniversity of Fukui

Principal Investigator

奥野 貴士  福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (80634188)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords消化管発育 / 未熟児
Outline of Annual Research Achievements

本研究では極低出生体重児に出生直後から安定して経腸栄養を確立するため、消化管発育の評価法確立、消化管発育・消化管運動促進物質の胃内投与による治療介入の可能性の探求を目的としている。
福井大学医学部附属病院、総合周産期母子医療センター新生児集中治療室に2015年7月から2017年3月に入室となった極低出生体重児25例において、日齢0~14まで超音波検査、血液採取、胃液採取とあらかじめ定められた診察項目についての評価を行った。児の属性(出生週数、出生体重、性別、分娩様式、母体への薬剤投与歴、母体感染症の有無、羊水過多・過少の有無)、児の治療経過(呼吸器管理の有無・方法、循環作動薬の使用の有無・種類、血管拡張薬の使用の有無・種類、動脈管開存に対するインドメサシン使用の有無、合併症の有無・種類)を合わせて記録した。
日齢10までに経腸栄養100ml/kg/日を達成した群(消化達成群)と達成できなかった群(消化非達成群)の臨床データ、血液検査データを比較検討した。
消化非達成群で、「在胎週数が27週未満」、「出生体重が1000g未満」、「子宮内感染兆候」、「母乳の初回投与が日齢3以降」の項目で消化達成群に比べ有意差を認めた。性別、分娩様式、母体への薬剤投与歴、羊水過多・過少、呼吸器管理、循環作動薬の使用・種類、動脈管開存に対するインドメサシン使用については消化達成群と消化非達成群で有意差は認めなかった。腸管の超音波検査で、日齢を経ると小腸壁厚が薄くなる傾向があったが(任意の2点で測定:日齢0の平均12mm、日齢7の平均0.9mm)、消化達成群と消化非達成群で有意差は認めなかった。
本研究は患者データを取り扱うため、福井大学医学部倫理審査委員会の承認を受け、研究内容説明書および、検体・検査結果利用に関する同意書を作成し、個々の患者(保護者)に説明を行い、同意を得て実施している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

極低出生体重児の出生が予測より少なく、症例を集積するために時間を要した。28年度末までに研究の最低目標症例数に達しており、現在、症例のデータ整理、解析を行っている。

Strategy for Future Research Activity

臨床研究対象症例で収集した血清、尿、胃液の解析を進める。少量の検体で多項目のバイオマーカーを測定できるBio-plexを使用し、消化管発育、消化管運動促進に関わるバイオマーカーの探求を行っており、継続する。
窒素、寒冷刺激、LPSの胃内投与により壊死性腸炎未熟児マウスモデルを作成し、サーファクタントやテプレノンの胃内投与による腸管保護の可能性、エリスロマイシンの胃内投与による腸管運動促進作用の検討を行う。

Causes of Carryover

臨床研究の症例数を獲得するのに期間を要し、バイオマーカー測定キットの購入が次年度となったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

臨床研究症例で収集した血清、尿、胃液などのバイオマーカーを測定する測定キットの購入に使用する。実験用マウス購入と飼育、壊死性腸炎未熟児マウスモデルの作成のための薬品購入のため使用する。

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Published: 2018-01-16  

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