2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of awake brain surgery for preservation of mentalizing
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15K19957
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
木下 雅史 金沢大学, 医学系, 助教 (50525045)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心の理論 / 脳腫瘍 / 覚醒下脳手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 「心の理論」機能の局在を明らかにするために右前頭葉グリオーマ15症例に対する覚醒下手術が終了した。心の理論タスクを用いた直接電気刺激によるマッピングデータを収集した。2. マッピングと機能局在:複数症例における皮質及び皮質下において再現性のある心の理論タスクの遂行困難な領域を確認した。3. トラクトグラフィとの整合性:仮説であった心の理論と関連する白質神経線維Aとの存在が疑われるマッピング結果が得られた。4. 機能連結性の解析:術前後ならびに3・6ヶ月後時点のMRI画像データを収集し、安静時ファンクショナルMRIにおける機能連結性とその経時的変化について解析した(現在解析中)。5. 神経心理学的評価:心の理論を含む高次脳機能評価を行い、術後の摘出領域を用いたVBM (VLSM)解析を行い、白質線維Aの切除と心の理論テストの点数低下との関連性が示唆された。6. 社会的QOLの評価:術後のデータからは白質線維Aとの関連性が示唆されなかった。現在解析方法について再検討を行なっている。7. 次世代覚醒下手術の確立:本タスクによって術中の心の理論の機能局在と関連するネットワークの同定が可能であることがわかった。しかし、心の理論のみでは社会的コミュニケーションにおいて不十分であることがわかった。特に共感性の評価が必要であると考えられた。8. 今後の課題:今回の研究では心の理論と関連性の深い共感性に関わる領域の評価が困難であることがわかった。現在、共感性タスクの作成と正常人における評価法の妥当性について検討中である。9. 本研究に関連した他の実績:空間性作業記憶に関して同様の方法で行った研究結果について報告した。また手術手技の向上のため、脳腫瘍手術に有用と考えられる新規マイクロピンセットを開発した。
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