2016 Fiscal Year Annual Research Report
Splemectomy for renal cell carcinoma to restore immuno activity
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15K20076
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
野原 隆弘 金沢大学, 附属病院, 助教 (20733372)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腎細胞癌 / 腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
転移性腎細胞癌に対して、2016年には免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブの適応が承認されるなど、腎細胞癌自体の免疫寛容を介した癌進展機構がますます注目されている。腫瘍随伴性マクロファージ、制御性T細胞、骨髄由来サプレッサー細胞など、さまざまな免疫抑制細胞の働きが抑制あるいは活性化することにより腎細胞癌細胞自体が活性化される可能性が高いが、活性化機序は未だ明らかにされていない。 ヒト単球様細胞株THP-1、U937をPMA処理しマクロファージに分化させた後、腎細胞癌細胞株ACHNと共培養させたところ、M1タイプからM2タイプ(腫瘍随伴性マクロファージ)へと分化した。さらに、これらM2タイプマクロファージは腎細胞癌細胞の遊走能を劇的に亢進させた。この遊走能亢進にはマクロファージと腎細胞癌細胞両方から分泌されるケモカインが重要な役割を果たしており、ケモカインの中和抗体で遊走能が抑制されることが分かった。またこれらのケモカインのうち、CCL22は制御性T細胞の活性化因子であり、腫瘍随伴性マクロファージと腎細胞癌細胞との相互作用が、引き続いて制御性T細胞を活性化することが明らかとなった。脾臓はこれら免疫抑制系細胞の貯蔵庫となっている可能性があることから、腎摘除術を行った進行腎細胞癌患者のうち、脾臓摘出術を行った3症例について予後の解析を行った。非常に興味深いことに肉腫様成分を含んでいるにもかかわらずその予後は非常に良好であった。
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