2016 Fiscal Year Research-status Report
細胞外マトリックスを介した前立腺肥大症発症機序の解明と治療への応用
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15K20102
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
濱川 隆 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (40595394)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 前立腺肥大症 / TSP-1 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は前立腺培養細胞に対するTSP-1の作用を検討する予定であった。培養細胞として、市販のヒト前立腺平滑筋細胞(PrSMC)、ヒト前立腺間質細胞(PrSC)、ヒト前立腺上皮細胞(PrEC)を用いて、TSP-1の直接的作用を検討した。PrSMC、PrECに対してはTSP-1の投与で有意な変化は認めなかったが、PrSCに対するTSP-1の投与でPrSCの増殖能が亢進することが認められた。PrSCにおいて細胞増殖に関与する細胞内シグナル伝達経路の変化をWestern blotteingによって検討したところ、Aktのリン酸化が亢進していることがわかった。FNの投与については有意な結果はでなかった。 TSP-1はTGF-βの活性化因子であり、PrSCの増殖にTGF-βの関与している可能性が考えられたためこれを検討しようとしたが、活性型TGF-βの検出のためのアッセイが確立できなかったため、あらためて方法を検討する。 次に、前立腺肥大症モデルラットに対してのTSP-1の影響を検討することとした。ラットに対するTSP-1の中和抗体が無かったため、昨年度に明らかにしたTSP-1を誘導するIL-18の中和を行うこととした。IL-18を中和するIL-18 binding protein(IL-18BP)を投与することとした。モデルラットに対してIL-18BPの投与を行うと、前立腺肥大部において濃度依存的にTSP-1のmRNAの発現が減少した。また、組織学的には組織中の膠原線維の面積が減少する傾向にあった。 IL-18はTSP-1の産生を介して、組織の線維化に関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
TGF-βの活性化についての検討が行えなかった。細胞培養の条件や、アッセイの方法の検討を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
過去の文献から、現在の施設で可能な実験方法を検討する。また、その間に併せてヒト前立腺組織の収集を進めておく。
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Research Products
(4 results)