2015 Fiscal Year Research-status Report
パノラマX線写真における骨粗鬆症スクリーニング指標と顎骨海綿骨との関係
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15K20394
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
杉野 紀幸 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (10460445)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 骨粗鬆症 / 顎骨海綿骨 / パノラマX線写真 / コーンビームCT |
Outline of Annual Research Achievements |
松本歯科大学病院において、診療目的のためにパノラマX線撮影と歯科用コーンビームCTにより下顎小臼歯部から大臼歯部(左右側は規定しない)を撮像した45歳以上の男女50人を被験者とした。同部にインプラント治療やワイヤーなどの金属器具を用いた治療が施されている患者、腫瘍性病変および骨髄炎を有する患者は除外した。 パノラマX線装置はAZ3000(朝日レントゲン工業株式会社、京都)、歯科用コーンビームCT装置は3D Accuitomo タイプF17(株式会社モリタ製作所、京都)を用いた。パノラマX線撮影の条件は通常の臨床で使用されるオート撮影モード(管電圧:60~86kV、管電流:2~12mA、撮影時間:15秒)で行った。取得したパノラマX線写真において全身の骨粗鬆症化の指標とするために下顎骨下縁皮質骨の形態を3型に分類した(1型:皮質骨の内側表面がスムーズなもの、2型:皮質骨の内側表面は不規則となり、内側近傍の皮質骨内部に線状の吸収があるもの、3型:皮質骨全体に渡り高度な線状の吸収と皮質骨の断裂があるもの)。 一方、歯科用コーンビームCTの撮像条件も通常臨床で使用される管電圧:90kV、管電流:7mA、撮像時間:17.5秒、撮像範囲:φ60mm×H60mmで行った。歯科用コーンビームCT画像の再構成はスライス間隔:0.25mm、スライス厚:0.5mmで行い、濃度は初期設定の状態としDICOMデータ形式で保存した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに当初の計画通り、50人の被験者に対しパノラマX線写真において下顎骨下縁皮質骨の形態を3型に分類しいる。また、同様に歯科用コーンビームCT画像についても再構成やDICOMデータ形式で保存等の下処理は終了しており、3次元画像解析ソフトウェアに取り込む準備が整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
歯科用コーンビームCT画像を3次元画像解析ソフトウェア:TRI/3D-BON(ラトックシステムエンジニアリング株式会社、東京)に取り込み骨梁解析を行う。なお、解析領域は下顎骨下縁から10mm上方、近遠心的にオトガイ孔から第2大臼歯遠心相当部までの範囲とし、(1)全骨の骨量、(2)皮質骨領域、(3)全骨における皮質骨領域の割合、(4)海綿骨領域(海綿骨+骨髄腔)、(5)全骨における海綿骨領域の割合、(6)海綿骨の骨密度、(7)海綿骨の3次元フラクタル、(8)海綿骨のnode-strutについて解析を行う。 取得した上記の項目をパノラマX線写真で分類した下顎骨下縁皮質骨の形態3型間で比較検討する。統計はOne way ANOVA、多重解析にはBonferroniを用いる。同時にパノラマエックス線写真から残存歯数や計測部歯数も記録し、3型間で有意差が存在する場合は残存歯数や計測部歯数を補正したANCOVAにより解析を行う。また年齢と歯科用コーンビームCT画像より得られたパラメータとの単相関についても検討する。
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Causes of Carryover |
平成27年度に歯科用コーンビームCT専用ソフトウェア及び専用パーソナルコンピュータを購入予定でいたが、近々ソフトウェアのバージョンアップが予定されており、それを待って平成28年度に購入する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に歯科用コーンビームCT専用ソフトウェア及び専用パーソナルコンピュータを購入する。
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Research Products
(4 results)