2016 Fiscal Year Research-status Report
CNPおよび疾患特異的iPS細胞を用いた新たな顎変形症治療の開発
Project/Area Number |
15K20516
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中尾 一祐 京都大学, 医学研究科, 助教 (40599932)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 軟骨無形成症 / 顎変形症 / CNP |
Outline of Annual Research Achievements |
軟骨無形成症モデルマウス(Achマウス)の顎顔面形態解析を行ったところ,ヒトと同様に中顔面の矢状方向への劣成長や大後頭孔の狭窄を認めた.中顔面の成長には,頭蓋底における成長中心である蝶形骨間軟骨結合部(ISS)と蝶後頭軟骨結合部(SOS)の内軟骨性骨化による成長が重要とされている.組織学的解析において,AchマウスのISSとSOSの肥大化軟骨細胞層・増殖軟骨細胞層はともに狭小化しており,さらに,SOS中心部に血管新生やアポトーシスを伴った早期骨化を認めた.また,大後頭孔の成長には,前後頭骨軟骨結合部(AIOS)後後頭内軟骨結合部(PIOS)の内軟骨性骨化による成長が関与するとされているが,AchマウスではAIOSの狭小化とPIOSの早期骨化を認めた. Achマウスに認められた顎顔面形態異常に対し,CNPの血中濃度上昇により改善できるかどうかを検討するために、Achマウスと血中濃度上昇型CNPトランスジェニックマウスとの交配実験を行った.CNPの血中濃度上昇により,Achで認められていた,中顔面劣成長や大後頭孔の狭窄は有意に改善することができた.組織学的解析の結果,SOS,PIOSで生じていた早期骨化についてはCNPの影響は認めなかったものの,ISS,SOS,AIOSの内軟骨性骨化の促進により、軟骨細胞の肥大化や基質賛成の増大を認めていた. 以上のことより,CNPの投与は,頭蓋骨の軟骨結合部の内軟骨性骨化の促進させることにより,軟骨無形成症で認められる顎顔面異常を改善しうる可能性が示唆された
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
軟骨無形成モデルマウスとCNPトランスジェニックマウスの交配実験が順調に進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
軟骨無形成症患者から樹立したiPS細胞への軟骨分化誘導およびCNP添加実験を行っていく。
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[Journal Article] A novel therapeutic strategy for midfacial hypoplasia using the CNP/GC-B system.2017
Author(s)
Nakao K, Yasoda A, Okubo Y, Yamanaka S, Koyama N, Osawa K, Isobe Y, Ikeno M, Fujii T, Miura M, Bessho K.
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Journal Title
Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathology
Volume: 29
Pages: 10-16
DOI
Peer Reviewed
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