2015 Fiscal Year Research-status Report
歯の色素沈着に関与する唾液ペプチドのプロテオーム解析
| Project/Area Number |
15K20612
|
|---|
| Research Institution | The Nippon Dental University |
|---|
Principal Investigator |
松田 貴絵 (山下貴絵) 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 助教 (10633646)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
| Keywords | ブラックステイン / 唾液 / 歯周病菌 / PCR / 色素沈着 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は当初、ブラックステインを有する口腔内の唾液の網羅的検索を目的とし、唾液プロテオームを行う予定で計画していた。しかし、ブラックステインとActinomycesの関連はすでに報告されているが、他の歯周病菌の関連は解明されていないため、ブラックステインを有する患児と歯周病菌の保菌との関与および歯冠色と歯周病菌と色素沈着の関連の解明を先に行った。
【ブラックステインと歯周病菌の関連】ブラックステインを有する患児より唾液およびプラーク（バイアスを除くため、プラークは採取する歯種と部位を統一してある）を採取し、PCRにて歯周病菌（５種類）の発現の確認を行い、保菌の有無を検索した。
【歯冠色と歯周病菌と色素沈着の関連】同年代の女性を対象とし、上顎右側中切歯の歯冠色をシェードガイドにて測定し、色素沈着の有無を診査した。その後、既定の期間ブラッシングおよび含嗽を禁止した後、上顎右側第一大臼歯の頬側よりプラークを採取し、サンプルとした。サンプルはDNAを抽出し、PCRにて歯周病菌の発現を確認した。歯冠色と色素沈着の有無にて、白色群と着色群に分け、歯周病菌の保菌の違いを検討した。現在、この研究結果は原著にし、国際雑誌にて投稿中である。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定であったブラックステイン保有者の唾液プロテオーム検索を最初に行う予定であったが、歯周病菌との保菌の関連の検索を先に行ったため、今年度に唾液の網羅的検索が行えなかった。また、唾液プロテオーム検索の中でもTOF－MS解析および網羅的解析は委託で行う予定であり、費用が高額であったため、今年度の繰越金を次年度と合わせ、そちらより捻出して行うことが可能であり、歯周病菌との関連も追及できているため、少しの遅れはあるが、問題ないと考える。また、唾液中のヒスタチンのウエスタンブロティングを行っているが、実験結果が芳しくなく、テクニカル的な見直しおよび検討を行っているが、こちらも次年度には問題なく遂行できるところまで来ている。
|
| Strategy for Future Research Activity |
次年度より、ブラックステイン保有者および非保有者の唾液のプロテオーム解析および網羅的解析を行う。並行して、PRPの抗体を作成し、唾液中ヒスタチンとPRPsの定量的ウエスタンブロッティングを行う。唾液の網羅的解析にて見つけた色素沈着に関与する唾液ペプチドを人工唾液に加え、ブラックステイン保有患児の唾液のモデルを作成し、抜去歯にて色素沈着の再現を行うこととする。
|
| Causes of Carryover |
実験計画が当初の予定と変更となり、唾液プロテオームの網羅的解析を委託する予定であったが、先に別の実験を行った。委託の費用は高額であり、先に他の実験を行ったため、委託への費用の捻出が困難となった。
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
ブラックステインの保有者および非保有者の唾液プロテオーム検索へと充てる。主に委託へ依頼し、網羅的な解析を行う。
|
