Proteomics of salivary peptides involved in Black stain

2019 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15K20612
• Research Institution: The Nippon Dental University
• Principal Investigator: 松田 貴絵 (山下貴絵) 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 非常勤講師 (10633646)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2020-03-31
• Keywords: ブラックステイン / 唾液 / 歯周病菌 / PCR / 色素沈着

Outline of Annual Research Achievements

ブラックステインと歯周病菌との関連についてはまだ解明されていない。Actinomycesとの関与はすでに報告されているが、齲蝕の有無の関連も解明されておらず、reviewでは、論文毎に齲蝕の有無との関与が異なっている。
本研究では、歯周病菌との関連に注目し、初年度より、ブラックステインを有する患者と歯周病菌の保菌との関与および歯冠色と歯周病菌と色素沈着の関連の解明を行っていた。これまで、【ブラックステインと歯周病菌の関連】として、ブラックステインを有する患者より唾液およびプラークを採取し、PCRにて歯周病菌（５種類）の発現の確認を行い、保菌の有無を検索分析した。そして、【歯冠色と歯周病菌と色素沈着の関連】として、同年代の女性を対象とし、上顎右側第一大臼歯頬側より採取したプラークをサンプルとした。サンプルはDNAを抽出し、PCRにて歯周病菌の発現を確認した。歯冠色と色素沈着の有無にて、無着色群と着色群に分け、
歯周病菌の保菌の違いを検討した。この研究結果は原著として、J Dent Sci Ther.に 掲載された。平成31年(令和元年)度は、【色素沈着に関連する唾液ペプチドの検索】を開始し、ブラックステインを有する口腔内の唾液の網羅的検索を目的とし、唾液プロテオーム解析を行った。同世代で似た生活環境下でブラックステインの有無が違うサンプルを比較できる計画へ変更した。条件をそろえるため、解析時期は予定よりも遅くなった。解析はiTRAQ試薬を用いたタンパク質発現・相対定量解析を外注委託にて行った。本年度は、その解析結果の分析と、その結果を基にして唾液中のヒスタチンを中心としたウェスタンブロッティングを行っている。並行して、【ブラックステインと歯周病菌の関連】と【歯冠色と歯周病菌と色素沈着の関連】のさらなる追求を行っている。今後は、研究結果をまとめ、国際誌への論文掲載を目指している。