2018 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of the probiotic effect of tagatose on periodontal inflammation.
Project/Area Number |
15K20642
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋野 恵衣 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (90614553)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 希少糖 / メタボローム解析 / 歯周病 / タガトース |
Outline of Annual Research Achievements |
我々がこれまでに実施した臨床メタボローム研究から、口腔衛生状態が良好な者を特徴付ける唾液中の代謝物質として、タガトース/プシコースが検出されたことから、特定の希少糖は歯肉が健康であるためのバイオジェニクス作用あるいはプレバイオティクス作用を有する物質であるとの着想を得た。本研究は、この仮説を検証することを目的とし、これらの物質が有する抗菌効果について、う蝕原性菌Streptococcus mutansのプランクトニック状態での成長抑制効果、およびバイオフイルム形成抑制効果について検討を行った。 まず、プランクトニック状態のS. mutansに対するタガトース、プシコースといった希少糖による成長抑制効果について、10%糖質添加または糖質非添加コントロールBHI培地を用いて増殖実験を行った結果、コントロール群に対し、10%タガトース添加群では顕著な成長抑制効果を認めた。他の10%糖質添加群での結果と比較すると、10%タガトースがS. mutansのプランクトニックな成長を顕著に抑制することが示されたことから、この抑制効果の濃度依存性についても検討した。 次に、タガトースのS. mutans, Streptococcus oralis, Streptococcus gordoniiの3菌種に対するバイオフイルム形成抑制効果を共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察した。その結果、10%タガトースはS. mutansとS. gordoniiに対して顕著なバイオフイルム形成抑制効果を示す一方、S. oralisのバイオフイルム形成能に影響を与えなかった。これらのことから、タガトースを健全な口腔細菌叢の維持に役立つプレバイティクスとしての用途に用いる可能性が示された。
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