2015 Fiscal Year Research-status Report
転倒リスクが高い高齢者に対する安全・安楽な移乗介助方法の探索
Project/Area Number |
15K20673
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
三宅 由希子 県立広島大学, 保健福祉学部, 助教 (60433380)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | トイレ移乗介助 / スタンディングマシーン / 心身負担 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、福祉機器利用による被介助者のメリットを立証し、転倒リスクの高い高齢者に対する安全・安楽な移乗介助方法を探索することである。 平成27年度は、健常者を対象に、従来の人力によるトイレ移乗介助と、福祉機器の1つであるスタンディングマシーンを利用したトイレ移乗介助の介助の違いによる心身への影響の比較を行った。各移乗介助による①生理的指標、②身体にかかる圧力、③介助に要する時間、④主観的評価について調査し、結果を分析した。各移乗方法とも生理的指標の大きな変動はなく、身体的な影響は少なかった。移乗介助に要する時間は、スタンディングマシーン移乗では人力移乗の約2倍の時間を要した。主観的評価では、スタンディングマシーン移乗では「機械的」「事務的」「気を使わない」項目で有意に高値であった。以上のことより、スタンディングマシーンを利用したトイレ移乗介助の際には、タッチングを積極的に行い、不安や抵抗を軽減させる必要がある。福祉機器を利用するメリットとして、1人の介助者で安全に行うことができ、トイレ介助のような羞恥心を伴うケアであっても、被介助者は遠慮なく介助を依頼することにつながることが推測された。 以上の結果を踏まえ、次年度以降は、転倒リスクの高い高齢者を対象に、従来の人力によるトイレ移乗介助と、福祉機器の1つであるスタンディングマシーンを利用したトイレ移乗介助の介助の違いによる心身への影響の比較を行う予定である。そして、福祉機器利用による被介助者のメリットを立証し、安全・安楽な移乗方法を確立していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H27年度に計画していた、健常者を対象に、従来の人力によるトイレ移乗介助と、スタンディングマシーンを利用したトイレ移乗介助の介助の違いによる心身への影響の比較を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究実施可能な施設との交渉を行い、臨床現場において、従来の人力によるトイレ移乗介助と、福祉機器の1つであるスタンディングマシーンを利用したトイレ移乗介助の介助の違いによる心身への影響の比較を行う予定である。得られたデータの分析を行い、福祉機器利用による被介助者のメリットを立証し、転倒予防の点において、安全・安楽な移乗方法を検証する。
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Causes of Carryover |
連続心拍変動測定、圧力測定機器の変更を行ったため、予定している金額の使用に至らなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度計画予定である研究実施施設への旅費、データ収集に必要な物品購入等に使用する。また、研究協力者への謝金を予算に計上している。
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