2016 Fiscal Year Research-status Report
角膜移植手術を受けたレシピエントのセルフケア行動の実際と看護の役割に関する研究
Project/Area Number |
15K20718
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
金 さやか 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (50736585)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 角膜移植 / レシピエント / セルフケア / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、角膜移植レシピエントに影響を与える因子を明らかにするとともに、レシピエントのセルフケア支援方法に焦点を当てた看護モデルの構築を目標として研究をすすめた。 平成28年度までに10名以上角膜移植レシピエントにインタビューを行い、移植の体験や思い、セルフケアに着目して分析を進めてきた。レシピエントのセルフケアは、主として点眼や受診行動であり、点眼を指示通りに行うこと、移植後は洗顔・洗髪(目を濡らさない事)に対して気を使って生活をしていたことが明らかとなった。 レシピエントのうち1名は精神障害を有していたことから、特徴的な事例であるととらえ追加面接を実施し、1事例を分析した。本事例からは、既往となる精神疾患のコントロールや経済基盤の安定、家族の協力は移植後のセルフケアに影響を与えていることが考察された。既往に精神障害を有する場合は移植を検討する段階から、精神科医との連携の必要性が示され、看護師においては移植後に長期的なセルフケアをおこなえるかどうか、アセスメントし、支援する必要があると考えられた。本事例の検討内容については、日本視機能看護学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
面接対象は当初は5名程度を予定していたが、年代や角膜疾患罹患時期により、特性が異なることが示唆されたたため、面接対象者数を増やした。そのため、分析に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
分析の過程で、老年期・成人期などの年代、角膜疾患罹患時期(先天、後天)によって、移植の動機や体験、療養上の問題が異なることが示唆されため、特徴を踏まえて分析を行うこととした。 平成29年度は老年期にある角膜移植レシピエントに焦点を当て、移植を決定したときのこと、療養の経過、セルフケアの内容と、実施状況、療養上の困難を明らかにする。 老年期にある角膜移植レシピエントのインタビューを逐語録におこし、分析を行う。これまでに行った成人期の角膜移植レシピエントのインタビュー分析結果と統合し、角膜移植レシピエントへのセルフケア支援における看護の役割について提案する。
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Causes of Carryover |
学会開催地が研究者の所属大学から距離が近く、予定より旅費ががかからなかった。また、資料整理等は研究者自身が行い、補助員を雇用しなかったため、人件費や謝金がかからなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
第33回日本視機能看護学会学術総会での発表や、資料収集のため複数学会に参加予定であるため、旅費として使用する。また、平成29年度は資料整理のため、補助員を雇用する予定である。
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