2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Practice of Self-Care Activities of Corneal Transplant Recipients and the Role of Nursing Care
Project/Area Number |
15K20718
|
Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
金 さやか 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (50736585)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 角膜移植 / レシピエント / セルフケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、角膜移植手術を受けたレシピエントが移植した眼を維持し、QOL(quality of vision)・QOL(quality of life)が高い状態であるよう、支援していくための看護の役割を明らかにすることである。 面接は合計15名(30代2名、40代3名、50代2名、60代1名、70代4名、80代3名)に行った。角膜移植の原因疾患は、水疱性角膜症3名、角膜穿孔3名、ヘルペス性角膜炎2名、角膜混濁2名、その他5名であった。初回の移植から2か月~35年経過していた。 前年度までは移植した眼を維持するために行っているセルフケアを中心に調査を行い、最終年度は、移植後のセルフケア継続や移植の予後に影響を与える要因を明らかにすることで角膜移植レシピエントの生活の再構築に向けての支援を考察した。 セルフケアは、点眼など治療に関する内容と合併症予防に関する内容であった。セルフケアの実施状況としては、点眼の適切な使用理解が不足していたため多剤点眼時に間隔をあけていない、必要性の認識不足から眼外傷を防ぐため保護メガネを装用しなくなったり、感染予防のための手指消毒をしていないことがあった。また、精神疾患による精神状態の悪さによって点眼ができないなどの問題が生じていた。合併症としては、拒絶反応・縫合糸のはずれ・眼圧上昇があったが、眼を保護していないときの転倒によって眼球破裂を起こした患者もおり、セルフケアの不足が重大な合併症につながることがあった。 移植後の生活の再構築は、移植患者としてのセルフケアが生活に取り入れることができることであり、治療や合併症予防の重要性の認識ができることが前提となる。そして、移植からの経過時間、ライフスタイルの変化、他の疾患のコントロール状態によっては、セルフケアの継続が影響されるため、外来でフォローし、患者の状況の変化に合わせた支援の必要性がある。
|