2016 Fiscal Year Research-status Report
脳性麻痺児の社会性の発達促進と養育者の育児負担感軽減のための実証研究
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15K20733
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
高間 さとみ 鳥取大学, 医学部, 講師 (90588807)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脳性麻痺児(者) / 自閉スペクトラム特性 / 育児負担感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、脳性麻痺児(者)の社会適応に関係する発達特性について明らかにするものです。脳性麻痺児(者)の発達特性は、運動発達や知的発達の課題の陰に隠れて見落とされやすい現状があります。そこで本研究は、脳性麻痺児(者)がもつ、こだわりやコミュニケーション能力の発達特性を明らかにすること、それらの発達特性の養育者の育児負担感への影響を明らかにすることを目的にしています。それらを明らかにすることにより、脳性麻痺児(者)の発達促進と育児負担感軽減のための支援のあり方を検討することを目指しています。 現在まで、脳性麻痺児(者)の脳性麻痺児(者)の自閉スペクトラムについての発達特性と養育者の育児負担感について分析を進めました。脳性麻痺児(者)の発達特性については、自閉スぺクトラム症傾向を把握するためのPARSと発達傾向を把握するためのKIDSを用い、年齢群別にPDD特性の有無や傾向について分析しました。特に、PDD傾向における運動機能の高群と低群での比較や、PDD特性の下位領域における特性について分析を進めました。これらによって、海外の研究にて報告されているとおり、脳性麻痺をもつ児(者)のなかに、高い割合でPDD傾向をもつ者がいることが明らかになりました。また、脳性麻痺児(者)の自閉スペクトラム特性をアセスメントする方法についての示唆が得ることができました。 さらに、脳性麻痺児(者)の養育者の育児負担感についての分析を進めました。脳性麻痺児(者)のPDD特性による育児負担感や養育者のこころの健康について、影響要因を分析中です。これらによって、脳性麻痺児(者)のPDD傾向の特性に応じた養育者の育児負担感軽減へ向けた支援のあり方の検討を進めたいと考えています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳性麻痺児(者)の運動機能の発達や障害の程度を考慮した自閉スペクトラム症についての発達特性について、分析には様々な困難さがありながらも、当初の計画に応じた進捗状況であり、論文作成段階にあるため。また、脳性麻痺児(者)の養育者の育児負担感についての分析は計画に準じた進捗状況であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
脳性麻痺児(者)の自閉スペクトラム特性についての分析は、現在、論文作成中であり早い段階での投稿を行うこととする。併せて、脳性麻痺児(者)の養育者の育児負担感についての分析を進め、脳性麻痺児(者)の特性に合わせた育児負担感軽減へ向けた支援のあり方の検討及び脳性麻痺児(者)の発達特性に合わせた発達促進の在り方の検討を進める。さらに論文作成や発表を実施し、自閉スペクトラム特性をもつ脳性麻痺児(者)の発達促進や養育者の育児軽減への還元を図る。
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Causes of Carryover |
研究費節約のため、データ入力を出来る限り研究者で行ったことにより、謝金等の支出が予算額よりも少なかったことが理由として挙げられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予算を含む研究計画に準じて、データ分析のためのスーパーバイズや文献購入、さらに論文発表にかかわる経費として計画的に使用します。
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