2017 Fiscal Year Research-status Report
精神科における退院支援上の専門職連携強化のための看護師現任教育プログラムの開発
Project/Area Number |
15K20769
|
Research Institution | Gifu College of Nursing |
Principal Investigator |
葛谷 玲子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 講師 (30598917)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 専門職連携 / 退院支援 / 精神看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、「精神科病院の病棟看護師が捉える退院支援における専門職連携の現状と影響要因」を明らかにした。この結果を基にして、平成28年度は「精神科病院における専門職連携を基盤とした退院支援に必要な看護師の能力」および「専門職連携を基盤とした退院支援に関連する研修内容と教育的関わり・機会」について明らかにした。 平成29年度は、まず専門職連携に関連する現任教育の文献検討を行った。分析対象とした26文献に示された専門職連携に関連する現任教育の目的・目標は、〔他者理解・相互理解の深化〕〔多様性・異質性の認識と承認〕〔相互尊重の促進〕〔価値観や固定観念など自己の傾向の理解〕〔リフレクションの理解と実施〕〔組織の理念の理解の深化〕〔組織や立場の垣根の払拭〕など18の内容に整理できた。 これまでの成果をもとに精神科病院における専門職連携を基盤とした退院支援に必要な看護師の能力(コンピテンシー)を獲得するために必要な看護師現任教育プログラム原案を考案した。プログラム原案は、<患者中心の退院支援を推進する能力>、<障壁があっても諦めずコツコツと支援に取り組む能力>、<自職種・他職種の専門性を理解して互いに補完・協力しながら支援する能力>の大きく3つの能力毎に作成した。そして、平成27年度に調査対象とした施設の看護部教育担当者に教育プログラム原案を提示し、意見を聞き取るためのインタビューを実施した。対象者の所属施設は4施設であり、1施設につき1名、計4名であり、2名は看護部所属の看護師長、他の2名は病棟の看護師長であった。このインタビューで得られた意見を分析し、プログラム原案を再検討する計画であるが、分析途中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成29年度は、教育活動等の研究以外の仕事量の増大により、倫理審査の申請が遅れるなどしてインタビューの実施の開始が平成30年2月となった。そのため、当初の予定の平成29年度までに研究を終了することが困難となり、平成30年度の1年間研究期間を延長することとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
インタビュー調査の結果の分析をすすめ、精神科病院における専門職連携を基盤とした退院支援に必要な看護師の能力(コンピテンシー)を獲得するために必要な看護師現任教育プログラムについて検討する。現段階では、教育プログラムについては、教育内容(教育目的)の検討が主であるため、教育の方法についても文献検討を行い、プログラムの作成に反映していく。また、教育プログラムを再検討した後、さらに精神看護専門看護師に意見を求めるなどしてプログラム内容を洗練するという計画も追加して実施する予定である。
|
Causes of Carryover |
インタビューを実施するための看護部長など対象者本人以外への依頼のための時間確保に対しても謝礼を払う予定であったが、対象者本人のみへの支払いになっていること、平成28年度のインタビュー実施施設が計画よりも少なかったこと、近場であったこと、学会発表ができなかったことなどにより、平成28年度から平成29年度への繰り越し金額が大きかった。加えて、平成29年度のインタビュー実施施設においても対象者本人への謝礼のみで所属長等への依頼に関わる時間確保への謝礼は支払っていないこと、研究実施の遅れによりテープ起こしなどが実施できていないこと等により、使用額が見込み額よりも少なかった。平成30年度は、インタビュー調査の対象者への謝礼、テープ起こし、学会発表旅費等に助成金を使用する予定である。
|