2016 Fiscal Year Annual Research Report
Detection of quantitative trait locus for root angle at the seedling stage in wheat
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15K20839
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
森 正彦 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (60645711)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コムギ / 浅根性 / 深根性 / 種子根伸長角度 / QTL |
Outline of Annual Research Achievements |
浅根性の「シロガネコムギ」と深根性の「Rosella」との交配から得られたF8世代の組換え自殖系統(RILs)108系統の遺伝子型を116個のSSRマーカーを用いて調査し,連鎖解析を行った。その結果,106マーカー,18連鎖群からなる1181cMの染色体連鎖地図が作製された。既報の連鎖地図と比較したところ,本実験で作製した連鎖地図はコムギの約46%の領域をカバーするものであった。 「シロガネコムギ」と「Rosella」の第1および第2対生種子根の伸長角度をそれぞれ調査した結果,両形質ともに両親間で大きな差が見られた。また,RILs(96系統)の種子根伸長角度を評価したところ,第1,第2対生種子根の伸長角度はそれぞれ連続的な幅広い変異を示し,深根性の「Rosella」よりも伸長角度の大きい超越個体が出現した。このため,浅根性の「シロガネコムギ」にも種子根伸長角度を大きくする遺伝子座が存在することが考えられた。第1対生種子根と第2対生種子根の関係を調査した結果,両形質の間には強い正の相関関係(r=0.86)が認められた。このことから,第1および第2対生種子根の伸長角度は同一の遺伝子座によって制御されている可能性が示唆された。 各系統の表現型データと遺伝子型データ,連鎖地図情報を用いてQTLs解析を行った結果,6D染色体上に第1対生種子根(LOD値:3.2)と第2対生種子根(LOD値:5.0)の伸長角度に関わるQTLを検出した。このQTLは,シロガネコムギの対立遺伝子をもつことで土壌への垂直方向の種子根伸長角度を小さくする効果があり,寄与率は第1対生種子根,第2対生種子根でそれぞれ15.5%,23.2%となった。一方,その他の染色体領域には種子根伸長角度に関わるQTLは検出されなかった。このため,本研究でカバーできなかった染色体領域にQTLが存在する可能性が残された。
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