2016 Fiscal Year Research-status Report
スペクトラルグラフ理論を用いた離散構造とアルゴリズムの研究
Project/Area Number |
15K20885
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐野 良夫 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20650261)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | グラフ理論 / 離散構造 / 競争グラフ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、主にグラフ理論や離散構造についての問題に取り組んだ。今年度の研究成果は以下の通りである。(1)Hマトロイドの階数関数に関して、一般には階数関数による特徴づけを与えることはできないということを例で示すとともに、Hマトロイドが単体複体的である場合には、Hマトロイドはその階数関数の性質によって特徴づけられることを示した。(2)完全2部グラフの向きづけとして得られる有向グラフの競争グラフに関する研究を行い、どのようなグラフ構造が現れうるのか等、これについて様々な結果が得られた。(3)d次元空間内の有限個の点集合から得られる半順序集合の有向グラフの競争グラフについて、その特徴づけを与えた。またこれに関連して、グラフの半順序競争次元という新たな概念を導入し、いくつかの基本的なグラフに関しその半順序競争次元の正確な値を与えた。(4)ダイアモンドを含まないグラフの競争数の上界に関する定理に対して、短い別証明を与えた。 また、次のような研究活動も行った。2016年5月には国際会議の世話人の1人として「The Japanese Conference on Combinatorics and its Applications (JCCA 2016)」を京都大学にて開催した。2016年11月には研究集会世話人の1人として「The 5th Workshop on Spectral Graph Theory and Related Topics」を神戸大学にて開催した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グラフ構造や離散構造に関する理論研究において、いくつかの研究成果が得られ、またグラフアルゴリズムの研究においても、まだ論文の形にはできていないがある程度の研究の進展があったため、研究はおおむね順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策としては、引き続き、スペクトラルグラフ理論を用いた離散構造についての理論研究を行うとともに、その応用研究として、グラフアルゴリズム設計に関する研究も進めていくことで、研究課題に関する研究成果をさらに出していけるよう推進していきたいと考えている。
|