乳歯内部吸収の免疫組織化学的研究と透過型光電脈波法の有用性の検討

2016 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 15K20973
• Research Institution: Tokyo Medical and Dental University
• Principal Investigator: 高 真紀子 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 非常勤講師 (10624306)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: 内部吸収 / 歯髄 / 乳歯 / 光電脈波 / 歯髄診断

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、非侵襲的な診断方法の検証として、内部吸収が生じた歯牙に対する透過型光電脈波(TLP)の診断機器としての有用性の探究と、内部吸収歯牙の病理組織学的研究と免疫化学的研究によって歯髄の病態を探究することである。
昨年度、透過型光電脈波法(TLP)の診断機器を内部吸収の診断の有用性を調べたところ、顕著な波形は認められなかった。そのため、被験歯数を増やす予定であったが、予定していたような数の内部吸収歯牙が得られなかったので、本年も内部吸収診断機器としてのTLPの有用性までの検証には至っていないが、補足実験として内部吸収罹患抜去歯牙をマイクロＣＴで観察した。また、非侵襲的ではない点では本研究の目的と異なってしまうが、特発性内部吸収に罹患した歯牙の診断に3DCT撮影を行い診断方法について検証した。
次年度以降は、多くの研究者に本研究について協力を要請して試料数を増やしてTLPを追加実験し、内部吸収の動態や局在把握のため組織学・免疫化学的研究を行い研究発表していく予定である。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

当初の予定では、昨年度までに研究を終えて本年データ化する予定であった。昨年度は、平成27年度に確証に至るようななデータが得られなかったので、試料数を増やして内部吸収歯牙をTLP測定し、抜去歯牙の組織学的・免疫化学的に細胞の局在や動態を検証することであった。
しかしながら、内部吸収歯牙を得られなかったり、研究協力者の体調不良等があったため予定通り進めることができなかった。
次年度以降は、試料数を増やして実験を行い、結果を検証していく予定である。

Strategy for Future Research Activity

平成28年度は、内部吸収歯のTLP測定を追加実験したが特徴的な波形は認められなかった。今年度も被験歯が少なかったためもあるかと思われる。そのため、更に被験歯数を増やしTLPを行うことと、すでに得られている内部吸収罹患抜去歯牙や抜髄歯髄の組織学的・免疫学的研究を行う。
更には、データ化し学会発表や論文作成に取り組んでいく予定である。

Causes of Carryover

当初の予定では、免疫化学的実験を行う予定であったが、研究が予定通りに進まなかった。そのため物品や試薬・機器の購入が遅くなった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度は免疫組織学的研究を進める予定である。そのため、試薬や機器が必要となってくる。
また、サンプル数を増やすためにも研究協力者に依頼したり、研究発表のための学会参加費や論文投稿費が必要となってくる。