2015 Fiscal Year Research-status Report
放射線照射が脊椎の骨強度に与える影響 -特に骨質に着目して-
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15K21016
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
加藤 仁志 金沢大学, 大学病院, 助教 (30584841)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脊椎 / 放射線 / 骨強度 / 骨質 / 骨密度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、骨質と骨密度の双方の観点から、放射線照射が脊椎骨に対し骨脆弱性をもたらすメカニズムをラットの椎骨を用いて力学的変化を検証した。 Wister/ST系Ratの雌15週に対し腹腔内注入麻酔したのち、小動物放射線照射装置を用いて腰椎に20Gy単回の外照射を行った。照射後2週で屠殺し第4,5腰椎を摘出し、照射群(R群15匹)と非照射群(C群15匹)に対し椎体圧縮負荷試験を行い、椎体が破壊される荷重ピーク値(N)を測定した。さらに摘出した第5腰椎にμCTを用いて椎体海綿骨の構造解析と骨密度測定を行った。海綿骨の構造解析では、データをもとに実際に3Dモデルを作成した。 荷重ピーク値はR群166.5±31.4N、C群253.3±33.3N(P<0.01)であり、R群で有意に骨強度が低下していた。一方で骨密度はR群951.9±39.0mg/cm3、C群964.5±19.8mg/cm3であり約2%程度しか低下していなかった。μCTによる海綿骨構造解析では骨梁間隔がR群94.4±5.3μm、C群72.9±3.6μm、骨梁連結性がR群24.6±3.4(1/cm3)、C群35.5±4.7(1/cm3)であり、R群がC群に対して有意に骨梁がバラバラになり、連結性が低下していた(P<0.05)。Structure model index (SMI)がR群0.316±0.06、C群0.796±0.09であり、R群で骨梁形態がplate状からrod状へ変化していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
放射線照射によって椎体の骨強度が低下することを示すことができた。また、μCTによって海綿骨の微細構造を描出することでき、骨梁構造が粗になり、連結性が低下することが骨強度低下の一因であることを解明できたため。さらに、放射線照射による骨強度低下には骨密度の低下はほとんど関与していない可能性が示唆されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
20Gyモデルの他に5Gy、10Gyモデル、および2週モデル他に4週、8週モデルの作成を行うことによって、放射線量や照射後期間による骨強度の変化を定量することが必要となる。また、骨質の評価として、コラーゲン架橋の量を定量化し、照射骨の骨強度の低下はコラーゲン架橋の異常が原因の一つであることを明らかにする。コラーゲン架橋と相関を示す血中ペントシジンも測定する。
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Causes of Carryover |
平成27年度は効率的な予算の執行を行った。購入予定であった実験用ラットの一次的な在庫不足により次年度に繰り越しとなったため、76,550円が未使用額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、さらに検体数を増やす予定であるため、実験用ラットの購入費用として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)