2015 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子改変カニクイザルES・iPS細胞を駆使した新型多能性幹細胞株の樹立
Project/Area Number |
15K21080
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
築山 智之 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 助教 (60612132)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | iPS細胞 / ES細胞 / ナイーブ化 / カニクイザル / ゲノム編集 / CRISPR/Cas9 |
Outline of Annual Research Achievements |
CRISPR/Cas9を始めとするゲノム編集技術の発展により急速にゲノム改変技術が進歩している。これにより、以前では効率の悪かった複雑なコンストラクトのノックインも高効率かつ簡便に行うことが可能となっている。本研究では、ナイーブ化の指標として、発現制御領域のうちProximal enhancer(PE)を欠損させたOCT3/4下流にレポーターをノックインした⊿PE-OCT3/4レポーターを用いるが、その発現を増幅できるレポーターシステムをCRISPR/Cas9システムを駆使して構築した。つまり、トランスアクチベーター活性を持つ因子をOct3/4タンパク質のC末端に2Aペプチドを介して接続した融合タンパク質を、Oct3/4遺伝子の発現制御下で発現させ、それに応答する配列を複数持つ発現制御領域下で蛍光タンパク質および薬剤耐性遺伝子を発現させる遺伝子発現増幅レポーターを、CRISPR/Cas9システムを用いて、マウスおよびカニクイザル多能性幹細胞にノックインした。本年度までに、非常に高効率で遺伝子ノックイン細胞株の樹立に成功し、遺伝子増幅系を使わない通常のレポーターに比べ、遺伝子発現増幅を行うことで、顕著に強い蛍光が検出されることを確認した。本研究で使用した遺伝子発現増幅技術は、発現が微弱であることが想定されるレポーターの発現を増幅することに有用であると考えられる。 また、全身でEGFPを発現するカニクイザルの作出に初めて成功し、論文として報告した。(Seita Y. et al., Scientific Reports, 6: 24868, 2016)これは今後のカニクイザルにおける発生工学研究・医学研究に非常に有用であると思われる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、本年度までにレポーターシステムを導入した細胞株の樹立に成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、樹立した遺伝子改変カニクイザルES・iPS細胞を用い、培養条件の評価、新規幹細胞の樹立を行う。
|
Causes of Carryover |
次年度予算が交付されるまでの期間の繋ぎ資金として約20万円を残した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画通りに進める。
|
-
[Journal Article] Generation of transgenic cynomolgus monkeys that express green fluorescent protein throughout the whole body.2016
Author(s)
Seita Y., Tsukiyama T., Iwatani C., Tsuchiya H., Matsushita J., Azami T., Okahara J., Nakamura S., Hayashi Y., Hitoshi S., Itoh Y., Imamura T., Nishimura M., Tooyama I., Miyoshi H., Saitou M., Ogasawara K., Sasaki E. and Ema M.
-
Journal Title
Scientific Reports
Volume: 6
Pages: 24868
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
-
-