2015 Fiscal Year Research-status Report
VEGF阻害剤投与中止後にみられるリバウンドのメカニズムの解明
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15K21205
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
石黒 俊名 (大沼俊名) 岩手大学, 農学部, 准教授 (60452695)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 血管新生 / VEGF阻害剤 / in vivo イメージング / 腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
ffLucマウス(Hara-Miyachi C et. al. BBRC 2012)はLoxP配列に挟まれたNeo遺伝子を持つため、任意のCreマウスと掛け合わせることでCreを発現する細胞特異的にNeo遺伝子が欠失し、緑色蛍光タンパク質のVenusと生物発光触媒酵素のluciferaseの融合タンパク質Venus-Lucを発現するようになる。本研究では腫瘍血管解析モデルマウスとして、このffLucマウスとTie2-Cre(血管内皮細胞特異的にCreを発現する)マウスを交配してTie2-Venus-Lucマウスを作出することを第一段階として計画していた。交配によって今回作出したTie2-Venus-Lucマウスは前述の通り、血管内皮細胞がVenus-Lucを発現しているため、血管を蛍光及び生物発光で解析できると予想されていた。しかし、このマウスを用いたところ、蛍光、化学発光の何れの系においても特異的シグナルを検出することが出来なかった。その原因については明らかではないが、今後このモデルマウスを用いての解析を継続することは困難であると結論づけた。今後は別のモデルマウスを用いての解析を行うことを予定している。具体的には膵島ベータ細胞が腫瘍化する腫瘍モデルマウスであるRIP-Tag2(Rat insulin promoter- SV40 Large T angtigen2)を用いて、これに血管新生阻害剤を投与し、その後の腫瘍血管、腫瘍細胞の動態を解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデルマウスが想定と異なる表現型を示したため、予定通りに進捗させることが困難であった。また、年度途中で他大学への異動があったため、実験機器類の移設や飼育中の実験動物の数の削減などせざるを得ない状況になった。
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Strategy for Future Research Activity |
RIP-Tag2マウスの凍結胚を導入し、そこから個体を作出して繁殖させる。十分な個体数のコロニーを形成させた後、実験に供する。このマウスに血管新生阻害剤を一定期間投与し、その後さらに一定の休薬期間を置き、安楽死させて腫瘍組織を摘出する。腫瘍血管、腫瘍細胞の表現型を解析することでリバウンドのメカニズムを解明する。モデルマウスが予定と異なるため、in vivoでの解析は難しいが、複数のタイムポイントで出来るだけ多数のマウスを解析することにより、経時的な生体反応の解明を目指す。
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Causes of Carryover |
年度途中で異動をし、新しい研究機関での環境整備などに時間を要したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験消耗品やマウス飼育費用にあてる。
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