2017 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of the new stress evaluation with hair cortisol and saliva oxytocin
Project/Area Number |
15K21314
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
林 英明 酪農学園大学, 獣医学群, 准教授 (30405659)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ストレス / コルチゾール / 被毛 / 飼養形態 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳用牛において飼養環境が新たな生理学的ストレス評価の指標である被毛中コルチゾール含有量にどのような影響を与えるのかを明らかにするため、飼養形態の異なる複数の農場で飼育されている乳用牛において調査した。対象農場として、フリーストールで飼養されている8農場および繋ぎ飼いで飼養されている9農場からそれぞれ5頭ずつから採材を行った。被毛はブラシで脱落毛を除去したのち、臀部の白色被毛を約1gハサミで採取した。被毛イソプロパノールで洗浄後に乾燥させ、破砕した後にメタノールで抽出し、乾燥後にPBSで再懸濁した。被毛からの抽出液中のコルチゾール濃度はELISAキットにより測定した。 フリーストール牛群中の被毛中コルチゾール含有量(5.6pg/mg)と繋ぎ飼い牛群中の被毛中コルチゾール含有量(5.2pg/mg)の間に有意な差は認められなかった。繋ぎ飼いで飼養されている農場ごとの被毛中コルチゾール含有量は、最も高い農場では9.0pg/mg、最も低い農場では2.3pg/mgであり、農場間で有意な差は認められなかった。一方、フリーストールで飼養されている農場ごとの被毛中コルチゾール含有量は、最も高い農場では15.7pg/mg、最も低い農場では2.0pg/mgであり、農場間で差が認められた。 本実験の結果より、繋ぎ飼いとフリーストールという飼養形態の違いは被毛中コルチゾール含有量に影響を与えていなかったが、フリーストール飼養では農場間のばらつきが大きく、農場によっては飼養されている牛群が強いストレスを受けていることが示唆された。
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