2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel diagnosis marker for kidney diseases by metabolome analysis
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15K21364
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
平山 明由 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任講師 (00572405)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ネフローゼ / メタボロミクス / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに尿のメタボローム解析を終了したネフローゼ症候群患者の内、血漿検体が手に入った186名分についてもキャピラリー電気泳動-質量分析を用いたメタボローム解析を実施した。血漿中より89種類の代謝物を同定し、幾つかの代謝物に関しては特定の疾患群で有意に変化していることを見出した。またこれらの中には、特定の症候群において既報の物質や尿毒症物質をして広く知られているものが含まれていた。一方で、各代謝物の尿中存在量と血中存在量の関係性についても調査したが、両者の間に明確な関係性を示す代謝物を見つけることは出来なかった。 さらに、尿のメタボローム解析においてバイオマーカーの候補となったピークの内、特定の未知ピークについて、液体クロマトグラフィー-質量分析を用いた分取条件の最適化を行った。3種類の分取条件を用いることによって、高純度に未知ピークを分取する事が可能であった。実際に、本法を用いて当該未知ピークの分取を行い、精製した代謝物を核磁気共鳴にて構造推定を行うことができた。推定された構造を持つ化合物に関して化学合成を依頼し、合成した代謝物を同一条件にて測定した結果、泳動時間、精密質量、タンデムマススペクトル共に未知ピークと完全に一致したため、バイオマーカー候補の同定ができた。 本研究では、複数のメタボローム解析手法を併用することにより、ネフローゼ症候群患者尿中より400種類以上のピークを検出することができ、これらを組み合わせた特定疾患鑑別のための精度の高い判別モデルを作成することができた。
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Research Products
(11 results)