2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K21391
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
小林 佳弘 東京電機大学, 工学部, 准教授 (00550576)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | PM凝集促進 / 捕集 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度はミストジェネレータの作成を行い,作成した装置を用い拡散火炎から排出されたPMへの付着を試みた.その結果,ミストを燃焼由来PMへ導入する過程で,ミストの合体等による大粒径化や流路内壁への付着等の問題が発生した.これについて流路内温度制御を試みたものの,中心部と壁面部での温度差が生じたことによる問題(高温部でのミストの蒸発)や,温度制御が非常に困難であることから,そのためミストを生成した後にPMへ導入するのではなく,水蒸気として導入した後に急冷することでミストを発生させPMに付着させるといった手法に切り替え,蒸気生成装置および蒸気/PMの混合後の急冷装置の製作および試験を試みた.その結果,ミストの内壁付着による損失について抑制することができた.またミストの合体も生じにくくなり,ミストの流量や粒径の制御も容易となった. 上述の装置を用い,PMへのミスト付着についてフィルタを用いて調査した結果,PMへのミスト付着は生じていることが確認された.さらにミスト付着による燃焼由来PMへの粒径影響についてLPIを用いて調査した結果,100nm以下程度の比較的小粒径PMの量が減少し数百nm程度の比較的大粒径PMの量が増加するといった結果が得られた.急冷部で発生したミストは数μmオーダーであり対象としたPMに比べ大きな粒子である.この数μmのミストが周囲の数十nm程度のPMを捕集することでPMの凝集が促進することが推測された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ネブライザから発生したウォーターミストをPMに付着させるといった当初予定していた手法を試みた結果,流路中でのミストの合体や凝集が生じることで粒径制御が困難となること,流路内壁への付着が生じることで流量制御が困難となることがわかった.そのため,水蒸気の状態で流入させPMと混合した後に急冷することでミスト化させるといった手法を考案し,装置製作および実験を試みた.新たに考案した手法はミスト流量や粒径制御が容易となった.装置製作の段階で予定よりも時間がかかったもののその後の測定は特に問題なく順調に進展しており,全体的にはおおむね順調に進展しているといえる状況である.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り以下の内容で推進していく. ・種々のPM条件における粒径計測 異なる火炎由来PMの粒径や流量条件における混合粒子への影響について調査を行う. ・混合粒子の特性調査 混合後の粒子の成分調査を行う. ・PMとウォーターミスとの付着メカニズムの解明 これまでに得られた結果をまとめ検討することで付着メカニズムについて検討を行う.さらにミストを用いたPM除去手法についても検討を行う.
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Causes of Carryover |
目的物品を購入した際,予定よりも安く購入することができたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
フィルタろ紙の購入に充てる予定である.
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