2015 Fiscal Year Research-status Report
現代日本における免許返納高齢者の地域特性と生活圏形成に関する研究
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15K21589
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyota College |
Principal Investigator |
田中 健作 豊田工業高等専門学校, 一般学科, 講師 (20636469)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | モビリティ / 免許返納 / 加齢 / バリア / サポート |
Outline of Annual Research Achievements |
・統計データの入手と単純集計:2015年度は愛知、岐阜、三重の各県警察の協力を得て、免許返納者に関する統計資料を入手し単純集計を行い、警察署別(市町村別に近い)の免許返納比率等を求めた。紙媒体でデータを入手したため、全ての入力を終えていないが、人口密度の高い地域での返納割合が相対的に高い傾向が見出された。このことは医療・商業施設のアクセス条件や公共交通利便性が免許返納を促す地域的条件になっていることを端的に示しているとみられる。 ・予備調査の実施:本年度は愛知県三河地方(自家用車主流の近郊農村)在住の免許返納者に対する予備調査も実施した。免許返納後の家族のサポート状況、免許返納と連動した加齢による生活範囲の縮小などが明らかとなった。ただし、調査時間や内容(過去を思い出してもらう、など)が調査対象者の負担となったこともあり、免許返納高齢者への聞き取り調査方法を修正することとした。この修正は、2016年度実施予定の愛知県内三河地方を中心に免許返納者およびその家族に対するヒアリング調査、宝塚市におけるアンケート及びヒアリング調査にフィードバックさせたい。 ・調査準備:調査協力状況等を加味し、当初予定していた中部地方に限定せず、大都市圏という枠組みから調査研究を行うこととした。調査協力の得られた兵庫県宝塚市の丘陵地に立地する集合住宅団地での調査準備を始めた。人口密度の高い地域においても傾斜があり交通障害となりやすい郊外団地も多くあり統計では見出せない実態も多くあるためである。自治会の協力を得て、住民へのアンケート・聞き取り調査の準備を始めた。2016年度に本調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画に比べて愛知県内におけるヒアリング対象者の選定が遅れている。しかし、当初計画にはなかった郊外団地における調査の目処が立ち、研究内容をより充実させることが見込めるため。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度は宝塚市(郊外集合住宅団地)および愛知県三河地方(近郊農村、地方都市)における免許返納者の生活実態調査を行う。分析方法については、当初計画に挙げていた時間地理学の手法を取り入れるだけでなく、隣接諸科学の分析手法の援用可能性についても検討する。
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Causes of Carryover |
前年度において、調査費用(旅費)が予算を下回り、繰り越し金が発生したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査に充当する。
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