2015 Fiscal Year Research-status Report
市町村合併や圏域化による義務教育行政の広域化に関する研究
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15K21597
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
宮崎 悟 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 主任研究官 (90533373)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 市町村合併 / 学校統廃合 / 広域化 |
Outline of Annual Research Achievements |
市町村合併と公立小学校の統廃合との関係性について,平成の合併期における市町村別のデータを用いて分析をした。この結果,市町村合併を経験した市町村では,その後の学校統廃合が生じやすくなるという関係性が見られることを明らかにした。学校統廃合に関係すると予想される別の要因をコントロールしても,この関係性が見られることについても確認した。このことから,従来的な人口減少が予想される中で,市町村を超えた教育行政の枠組みといった教育行政の広域化が予想されるが,このような広域化が生じた場合には学校の統廃合が生じやすくなることを示唆している。以上の成果については,日本教育行政学会において報告した上で,原稿に取りまとめた(本稿執筆時点では投稿審査中の段階である)。 また,現状の主に義務教育関係の教育行政に関して,通常の市町村単位よりも広域的な地域区分(例:教育事務所単位)に関する様々な資料の収集を進めたり,市町村合併した地域についてもどのような地域で生じているか等の資料収集を進めてきた。現段階では,これらの資料に関する整理を進めている段階である。成果が出る段階にまでは至っていないものの,今後の研究につなげるための作業は着々と進んでいる。 その他,計画していた他の数的アプローチに向けたデータ収集は,施設的な都合で若干の遅れが生じているが,可能なものから統計法上の利用申請手続きを行うなどの準備を順次進めている状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属研究所の業務で緊急的に対応せねばならない案件が生じ,当初の想定以上に本課題への研究時間が確保できなかった。また,本研究に必要なデータ収集に不可欠な所属研究所の施設が半年以上不調となり,それまでに収集できたデータでの分析しかできない状況が長期にわたって続いたことも理由として挙げられる。 市町村合併と公立小学校統廃合の関係に関する分析から開始したが,研究進捗により構築したデータの見直しを要することとなった。また,学会報告時にフロアからの小学校だけではなく中学校の統廃合も分析してみてはどうかという趣旨の提案があり,それに向けた検討や新たなデータ構築に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
若干の研究進捗の遅れは見られるものの,研究を進めるための基盤は整いつつあるので,今後はこれを基に当初計画に沿った形での研究を進める予定である。 また,追加的に小学校の統廃合に加えて中学校の統廃合に関する分析を行う方針を固めて,小学校と中学校との間にある異同を見ることで,本研究をより豊かなものにしたい。
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Causes of Carryover |
本務の想定外の多忙化に加えて,研究進捗による分析の方向性の再検討や研究データ構築の見直しがあり,当初計画していた訪問聞き取り調査の実施が遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初計画していた訪問聞き取り調査等をできる限り早く実施することで,前年度に使用予定であった経費も含めて有効に活用する計画である。
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