2015 Fiscal Year Research-status Report
肺癌組織および末梢血中のEGFR変異存在比とEGFR阻害剤治療効果との関連性検討
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15K21688
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
小野 哲 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 医長 (50441027)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 末梢血中循環腫瘍DNA / デジタルPCR / EGFR遺伝子変異 / クローン / サブクローン / 腫瘍内不均一性 / 腫瘍診断学 / 分子標的治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の研究計画において組織検体、および末梢血検体での超高感度EGFR遺伝子変異測定系の構築を予定した。当院で進行・再発の非小細胞肺癌と診断され、組織または細胞診でEGFR遺伝子変異陽性が確認された患者を対象として、2013年10月から2014年3月の間にEGFR-TKI治療前あるいは治療後に末梢血検体を採取し、QuantStudioTM 3D Digital PCR Systemを用いたEGFR遺伝子変異測定系を構築し、組織検体中と末梢血検体中のEGFR遺伝子変異の感度・特異度につき評価した。対象遺伝子は、EGFR遺伝子変異であるエクソン21のL858R、エクソン20のT790M、エクソン19欠失の3つとした。検出感度検定については、Horizon社のヒトゲノムをreferenceとして使用し、ターゲット遺伝子を野生型のEGFR遺伝子を用いて50%, 10%, 5%, 1%, 0.5%, 0.1%, 0.05%, 0.01%へ希釈し検定を行い、カットオフは野生型で検出された平均値+3SDとした。実測の変異頻度と予測変異頻度の間には強い相関を認め、検出感度0.1%までは安定的に検出できると考えられた。組織検体中の結果を真の結果とした際の血漿中エクソン 19欠失とエクソン21のL858Rの感度/特異度はそれぞれ70.6%/93.3%, 66.7%/100%であった。この結果はEGFR遺伝子変異の定量化をより低侵襲な検査で実現する上で意義のあることであり、今後のEGFR遺伝子変異陽性肺がんの治療経過における末梢血中のEGFR遺伝子変異の経時的にモニタリング、EGFR遺伝子変異クローン/サブクローンの優勢性によるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤の治療効果の層別化とそのカットオフ値を評価してゆくために重要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に計画していた内容はおおむね順調に進展していると考えられる。本年度の研究実績をまとめ、英文誌(Journal of molecular diagnostics)に投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
デジタルPCRによる末梢血中のEGFR遺伝子変異の定量、並びにEGFR遺伝子変異のclonalityの評価もすすめてゆく予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度の研究計画でデジタルPCRによるEGFR遺伝子変異測定系の構築を行った。当初は末梢血中EGFR遺伝子変異の検出が困難であることも予想されたが、QuantStudioTM 3D Digital PCR Systemを用いた末梢血中EGFR遺伝子変異検出の感度・特異度は他のデジタルPCRの測定系と比較しても同様な結果であった。そのため、末梢血循環遊離DNAでのEGFR遺伝子変異検出が困難な場合に予定していた末梢血中エキソソーム由来のcfDNAの解析を現時点では行っていないために次年度使用額が生じたと考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
EGFR C797Sなどの新たなEGFR耐性遺伝子変異の末梢血中での検出系の構築、並びにそれらの結果の学会での発表を次年度以降に行うこととし、次年度使用額はそれらの経費として適切に使用してゆくこととしたい。
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[Presentation] Plasma epidermal growth factor recepter mutation (EGFR) testing in advanced non-small cell lung cancer patients harboring EGFR mutations by chip-based digital PCR system2016
Author(s)
Norimitsu Kasahara, Hirotsugu Kenmotsu, Masakuni Serizawa, Rina Umehara, Akira Ono, Kazushige Wakuda, Shota Omori, Kazuhisa Nakashima, Tetsuhiko Taira, Tateaki Naito, Haruyasu Murakami, Noriaki Sunaga, Yasuhiro Koh, Keita Mori, Masahiro Endo, Takashi Nakajima, Masanobu Yamada, Masatoshi Kusuhara, Toshiaki Takahashi
Organizer
American Association for Cancer Research Annual Meeting 2016
Place of Presentation
New Orleans, Louisiana, USA
Year and Date
2016-04-16 – 2016-04-20
Int'l Joint Research