2016 Fiscal Year Research-status Report
心臓分子イメージング国際共同研究による心不全個別化医療戦略の構築
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15K21774
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
樋口 隆弘 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 特任部長 (30739850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 和人 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (90393347)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 分子イメージング / PET / 心不全 / 交感神経 / アンギオテンシン |
Outline of Annual Research Achievements |
国際共同研究加速基金の帰国発展研究である本研究プロジェクトは、心臓の局所交感神経や生理活性物質をターゲットにした新規のPET分子イメージング技術を開発・応用し、心不全に対する新たな治療戦略確立を目指す。そのために、ドイツ、アメリカ、フィンランド及び日本による多国間での国際共同研究を推進するネットワーク構築を行うことが目標である。当該年度では、まず、研究主任者がドイツビュルツブルグ大学・心不全センター核医学科心臓分子イメージング部門から、国立循環器病研究センター研究所画像診断部部長として主な研究拠点を日本に移動を行なった。スムーズな研究拠点移行、かつ共同研究の継続のために、ビュルツブルグ大学と国立循環器病研究センターの綿密な研究連携を行なった。 国内研究連携の立ち上げのために、国立循環器病研究センターにおいて事務員、研究員の雇用を開始している。埼玉医科大学医学部、東京大学工学部、金沢大学等の研究グループとのミーティングを行い、新たな共同研究を立ち上げた。多国間の国際共同研究ネットワークの整備に関しては、ビュルツブルグ大学の有機化学部・心不全センター及びジョンズホプキンス大学核医学部及び画像物理部との共同研究をスタートするための準備(各施設での動物倫理プロトコールの申請・許可を含める)も行なった。 具体的な研究内容としては、新規の交感神経トレーサの有機合成・標識に成功しており、予備実験としての細胞取り込み、阻害及び刺激実験により、トレーサ取り込みの特異性、取り込まれた後の細胞内動態を確認している。アンギオテンシン受容体をターゲットとしたトレーサの有機合成、標識実験も行なっており、これらのいくつかの候補であるトレーサの性能比較を行うために、蛋白結合実験、細胞実験を行なっている段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標である、研究拠点のドイツから日本への移転及び共同研究の継続が良好に行われており、概ね順調に進展していると判断できる。国内での研究ネットワーク立ち上げも始めている。具体的な研究内容に関しても、新規トレーサの開発、評価が進んでおり、計画通りと判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、多国間の有機的な共同研究ネットワークの構築を行い、心臓分子イメージングの開発基盤の構築を目指す。次年度では、具体的な研究項目である小動物疾患モデルを用いた実験に着手し、大動物疾患モデルと臨床撮像装置を組み合わせた臨床応用へのトランスレーショナルリサーチの準備を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、年度12月より本研究がスタートしているため、使用計画に遅れが生じているためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
共同研究ネットワークの構築の構築を早め、研究のスピードの向上に努め、前年度研究費も利用する予定である。進捗状況によっては、次年度の研究費をさらに繰り越す必要がある。
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Research Products
(6 results)