2015 Fiscal Year Research-status Report
湖沼および海洋におけるツボカビの多様性と機能評価:検出方法の開発と物質流の定量化(国際共同研究強化)
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15KK0026
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
鏡味 麻衣子 東邦大学, 理学部, 准教授 (20449250)
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Project Period (FY) |
2015 – 2017
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Keywords | 生物多様性 / 湖沼 / 物質循環 / 環境変動 / 微生物 / 操作実験 / 遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
採択が決まってから、渡航(4月1日)まで、限られた日数であったが、研究と生活環境の準備を行った。具体的には住む場所の確定、研究費の管理方法、使用方法について、打ち合わせをした。研究計画についても、渡航先であるLeibniz-Institute of Freshwater Ecology and Inland Fisheries(IGB-Berlin)のGrossart教授と数回Skypeにてmeetingをおこない、議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2016年4月1日の渡航に向け、概ね順調に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ドイツの湖沼(Lake Stechlin)を主なフィールドとし、最新の解析技術を用いて①ツボカビのゲノム、形態分類、機能、元素組成を一致させたデータベースを構築する。また大規模操作実験を行い、②ツボカビの物質循環における機能を定量的に把握し、ツボカビの多様性と機能を考慮にいれた物質循環モデルを提示する。 研究①ツボカビのデータベース構築:Single Spore PCR法とドイツの研究所(IGB-Berlin)にある最先端の技術(次世代シークエンサー、フローサイトメーターなど)を組み合わせ、ゲノム、系統分類、機能、元素組成を完全に一致させたデータベースを構築する。同時に世界各地で単離培養に成功し維持されているツボカビの代表的な種について、全ゲノム解析とSingle cell Genomicsにより特徴的な機能遺伝子を抽出する。また電子顕微鏡観察に基づく形態分類を行う。さらにオランダの研究所(NIOO)と共同で各ツボカビの元素組成(CNP)、脂肪酸組成、基質からの栄養転換効率を求める。 研究②ツボカビの物質循環における機能評価:ドイツ(IGB-Berlin)の大型実験湖沼施設(Lake Lab)とオランダ(NIOO)の大型実験水槽(Limnotron)を活用し、ツボカビの添加有無にくわえ、ツボカビの成長に影響する環境要因(水温、光、栄養塩濃度)を変化させ、ツボカビの種組成や密度の変化を介して動植物プランクトンなど生物群集にどのような影響がでるのかを解析する。これらの結果をふまえて、ツボカビの多様性を考慮に入れた水圏の物質循環モデルを提示する。
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