2017 Fiscal Year Research-status Report
湖沼および海洋におけるツボカビの多様性と機能評価:検出方法の開発と物質流の定量化(国際共同研究強化)
Project/Area Number |
15KK0026
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
鏡味 麻衣子 東邦大学, 理学部, 准教授 (20449250)
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Project Period (FY) |
2015 – 2018
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Keywords | 湖沼 / 物質循環 / 環境変動 / 微生物 / 遺伝子解析 / 生物多様性 / 環境変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
ツボカビは、最も祖先的な菌類で、寄生性や分解性の種が1000種以上報告されている。湖沼や海洋に多様なツボカビが存在しうる事が明らかになりつつあるが、形態的特徴が乏しいうえに、DNAの登録データ不足のため、最新の技術を用いたとしても環境中から抽出したDNAシークエンス情報だけではツボカビの種名や機能を同定することは不可能である。 本研究では、世界中の湖沼および海洋に出現するツボカビの多様性と機能の解明を目指した。最新の解析技術を用いて①ツボカビのゲノム、形態分類、機能、元素組成を一致させたデータベースを構築することを試みた。1胞子体からDNAを抽出解析する方法(Single Spore PCR法)を発展させ、サンガー法によるシークエンスだけでなく、次世代シークエンシング及びPacbioやOxford nanoporeを用いて、菌類と宿主である藻類の両方の塩基配列を同時に解析する方法の開発に成功した。同じ試料を用いて、藻類に付着するバクテリアの種組成を次世代シークエンシング解析により行ったところ、藻類に付着するバクテリアは、ツボカビの寄生により変化することが明らかとなった。単離培養が成功した藻類寄生性のツボカビについて形態による同定と分子系統解析を行なった結果、新種、親属、新科のツボカビを発見することができた。 ②ツボカビの物質循環における機能を定量的に把握する方法を確立し、ツボカビの多様性と機能を考慮にいれた物質循環モデルの作成を試みた。ツボカビの物質循環における機能を定量的に把握する方法として、ツボカビの野外での密度とミジンコの消化管内でのツボカビ密度を定量するqPCR法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
定量PCR法や次世代シークエンシングは、プライマーの選別に時間をとったが、これまで構築したデータベースをもとに、いくつか好適なプライマーを設計することができた。発見した新種、親属、新科のツボカビはいちはやく論文として公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで改良・開発したツボカビの定量方法を野外試料に適用し、解析を進めて行く。物質循環モデルについて、これまで出てきたアイディアを整理し、実験と組み合わせる形で実証していく。成果を学会発表や論文の形で公表する。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Integrating chytrid fungal parasites into plankton ecology. Research gaps and needs.2017
Author(s)
Frenken T, Alacid E, Berger SA, Bourne EC, Gerphagnon M, Grossart HP, Gsell AS, Ibelings BW, Kagami M, Kupper FC, Letcher PM, Loyau A, Miki T, Nejstgaard JC, Rasconi S, Rene A, Rohrlack T, Rojas‐Jimenez K, Schmeller DS, Scholz B, Seto K, (略)Agha R
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Journal Title
Environmental Microbiology
Volume: 19
Pages: 3802-3822
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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