2018 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of heteroatom-containing zeolite-templated carbons from ionic liquid and their applications(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
15KK0196
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西原 洋知 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (80400430)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 鋳型炭素 / 有機結晶 / 金属有機構造体 / カーボンアロイ / 触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
3次元規則構造をもつミクロ多孔性カーボンであるゼオライト鋳型炭素と、結晶性多孔性材料である有機金属構造体はいずれもミクロ多孔性材料であるが、ゼオライト鋳型炭素は骨格がカーボンであるため、金属有機構造体とは異なる特性や利点を有している。本研究によりゼオライト鋳型炭素と金属有機構造体との構造及び性質の対比がより明らかとなり、材料開発に関する包括的な理解が深まったため、化学的視点からゼオライト鋳型炭素に関連した報告を全て網羅する総説を出版した。 さらに、多孔性材料における分子論的理解に基づく研究手法を非晶質なカーボン材料に適用する新たな試みも開始した。電気二重層キャパシタはリチウムイオン電池よりエネルギー密度は低いが出力密度に優れる蓄電デバイスである。一対の活性炭電極を有機電解液に含浸し、電気二重層に電気を蓄える原理で動作するデバイスであるが、高電圧を印加するとデバイスが劣化するため、その上限電圧は2.8 Vに制限されている。従来は劣化の機構が不明瞭であったが、多孔性カーボン電極の化学構造を詳細に検討した結果、主に劣化の起点となるのはグラフェンの端(エッジサイト)が水素で終端された箇所であることを明らかにした。さらに、含酸素官能基の中でも高温で分解してCOを放出するフェノール性水酸基やエーテルのような部位も劣化の起点となることがわかった。また、劣化のメカニズムが電解液や印加電圧に依存して変化することも見出した。
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