2016 Fiscal Year Research-status Report
スラブ・ユーラシアにおける分離主義紛争の総合的比較研究
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15KT0048
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
久保 慶一 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30366976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大串 敦 慶應義塾大学, 法学部(三田), 准教授 (20431348)
妹尾 哲志 専修大学, 法学部, 准教授 (50580776)
森 聡 法政大学, 法学部, 教授 (60466729)
前田 弘毅 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (90374701)
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Project Period (FY) |
2015-07-10 – 2020-03-31
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Keywords | 分離主義 / スラブ・ユーラシア / ウクライナ / クリミア / セルビア / コソボ / グルジア / 南オセチア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、昨年度に引き続き、各自の分担する国・地域における現地調査・資料収集が主たる活動であった。久保は平成28年9月と29年2月にセルビア、3月にボスニア・ヘルツェゴヴィナにて、前田は平成28年10月と平成29年年1月にジョージア(グルジア)にて、妹尾は平成29年3月にドイツにて、大串は平成28年9月にロシア、平成29年2月にウクライナにて、それぞれ現地調査・資料収集を実施した。また、平成28年度を通じて、代表者・分担者はそれぞれ国内外の各地で研究発表を精力的に実施し、有益なフィードバックを得ることができた。平成28年6月に東島雅昌氏を講師に招いて研究会を行った。代表者と分担者は平成28年11月と平成29年2月に研究会を開催し、各自の調査の進捗状況とこれまでに得られた知見について共有した。平成29年3月には、過去2年間で得られた資料、そこから得られた知見を共有し、海外の専門家を意見交換を行うため、フィンランド・ヘルシンキのアレクサンテリ研究所にてワークショップを実施した(日本側から久保・前田・妹尾・大串、フィンランド側から同研究所の研究員3名が参加)。こうした現地調査・資料収集と意見交換を通じて、分離主義紛争のホスト国政府と分離主義勢力は、それぞれに多様な利害をもつアクターが存在し、決して一枚岩ではないこと、同じ国の分離主義紛争でも地域によって分離主義勢力とそれを支援する外部アクターの間の関係が異なっていることなどが明らかになってきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表者・分担者は概ね当初の研究計画に沿って現地調査・資料収集を進めることができた。この点で、おおむね順調に進展していると評価できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでに得られた知見を活かして比較分析を進めていくことが活動の主眼となる。精力的に研究会を開催してメンバー間の意見交換を活発化させ、全員の参加による比較分析と論文執筆の作業を推進していくことを目指したい。
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Causes of Carryover |
一部の分担者において校務等の事情により当初の研究計画で予定していた期間の海外現地調査を実施することが難しくなったため、次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外現地調査のための研究費を未使用の分担者は、平成29年度中に予定された海外現地調査を実施する予定である。平成29年度の研究計画については、全員当初の予定通りに計画を遂行していくことを予定している。
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